【氷の上のプリンセス】ついに憧れの野辺山へ。フィギュアスケートが大好きな女の子のステップアップストーリー第7巻。【夢への強化合宿】【小学校中学年以上】

2024年4月14日

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氷の上のプリンセス  7  夢への強化合宿  風野潮/作 Nardak/絵  講談社青い鳥文庫

中学生になったかすみ。新しい友だちとはうまくいきそうでいてうまくいかない。瀬賀くんはカナダに留学してしまい、なんだか置いてきぼりになってしまった気分で…… (氷の上のプリンセス  7  夢への強化合宿 風野潮/作 Nardak/絵  講談社青い鳥文庫)

この本のイメージ フィギュアスケート☆☆☆☆☆ 自己肯定感☆☆☆☆☆ 中学生になりました☆☆☆☆☆ 

氷の上のプリンセス  7  夢への強化合宿  風野潮/作 Nardak/絵  講談社青い鳥文庫

<風野潮>
大阪府生まれ。大学時代は吹奏楽部に所属。第38回講談社児童文学新人賞を受賞した「ビートキッズ」で1998年にデビュー。同作で、第36回野間児童文芸新人賞・第9回椋鳩十児童文学賞受賞。その他の作品に「クリスタル エッジ」シリーズ、「竜巻少女」シリーズ、「レントゲン」(いずれも講談社)などがある。

<Nardak>
韓国在住のイラストレーター。おもな挿絵に、「失恋探偵ももせ」(電撃文庫)、「睦笠神社と神さまじゃない人たち」(宝島社)などがある

氷の上のプリンセス  7  夢への強化合宿  風野潮/作 Nardak/絵  講談社青い鳥文庫

<この季節おなじみのスケートトーク。不要な方はスクロールしてね>

 フィギュアスケート、ついに今年もグランプリシリーズ開幕です!
 先週末は初戦、スケートアメリカ。

 まずは、佐藤駿選手、三位おめでとうございます!完璧じゃなくても毎回四回転ルッツに挑んでくれる気持ちがうれしい。動きのキレも良くて素敵な演技でした。次も期待しています。

 吉岡希選手!六位おめでとうございます。ショートプログラムが素晴らしかった。体重を感じさせないふわっとしたジャンプ、滑らかな着氷。すばらしいデビューでした。これからも期待しています!

 壷井達也選手。今回は残念な結果でしたが、腕の使い方や所作に気品がある選手です。次回はきっと決めてくれるはず。期待しています!

 吉田陽菜(よしだはな)選手、GPシリーズデビュー戦、四位おめでとうございます。ショートフリーともにトリプルアクセルを構成に入れてくる強気なハート。ショートでは悔しい結果になりましたがフリーではやってくれました。高難度ジャンプを入れつつ纏め上げるのは本当に難しいのですね。今後の活躍を期待しています!

 千葉百音選手、フリーでは悔しい結果になりましたがショートは素晴らしかった。繊細で情緒あふれる演技ができる選手です。ひとつひとつのエレメンツが丁寧で美しい。優美なスパイラルはいつまでも見ていたくなります。次回も期待しています!

 河辺愛菜選手、悔しい結果となってしまいましたが健闘しました。フリーのボレロはスピード感あふれるかっこいいプログラム。爆速で滑りながらジャンプが全部決まればすさまじい作品になりそうです。完成形が見たい!

 海外選手のことを少し。
 イリヤ・マリニン選手、優勝おめでとうございます。4Aを封印しても300点超え。表現力も増していて恐ろしい選手です。アクロバティックな振り付けもかっこいい。

 ケヴィン・エイモズ選手、銀メダルおめでとうございます!おおう、エイモズ選手ついに覚醒です。ショートフリーともに安定した演技を魅せてくれました。ステップがとてもかっこいい。次回も期待しています。

 デニス・ヴァシリエフス選手。ジャンプが決まらず今回は残念でした。みなさんおっしゃってますが、ロングヘアーを切ってダークな色に髪を染めたらなんだか若き日のステファン先生みたい。立ち姿や所作に華がある選手なのでジャンプが安定することを期待しています。がんばって!

 今回はペアのりくりゅうこと三浦・木原組が木原選手の腰椎分離症発症で欠場でした。無理せず休養して、一日も早く回復しますように。

<ここからが本題。本日の本紹介>

 さて、本日ご紹介するのは「氷の上のプリンセス 7 夢への強化合宿」。シリーズ第7巻、初版は2016年です。たいへん人気のシリーズで、ノービス編から始まり、現在はシニア編に物語がすすんでいるようです。

 このシリーズは、第1巻から完全にお話が続いていますので、レビューを読んで興味を持たれた方は、まずは第1巻「ジゼルがくれた魔法の力」からお読みください。

 第1巻のレビューはこちら

 今回のストーリーは……

 ついに小学校を卒業し、中学生になったかすみ。
でも、瀬賀くんは突然カナダにスケート留学してしまいました。

 心細いなかの中学生活は戸惑うことばかり。フィギュア選手だからとちやほやされてみたり、ぎくしゃくして遠ざけられてみたり。

 かすみは、一層練習に打ち込みます。
 めでたく憧れの野辺山合宿の参加メンバーに選ばれたまではよかったのですが、周囲の選手たちに比べて自分の出来なさを痛感し、また自信を失ってしまいます……

 ……と、いうのがあらすじ。

 かすみちゃんは潜在能力はあるけれど定期的に自信を失う子です。周囲に美桜ちゃんや真子ちゃんなどスケートが大好きで努力家な子たちがいるので彼女たちの情熱に引っ張られて立ち直ることもしばしば。

 「他人に負けたくない」とがんばるというよりも「がんばっている友だちを見て見習いたい」と思うタイプなんですね。競う気持ちは少ないけれど美しいものや善きものにあこがれ、そうなりたいと思う気持ちの強い子です。
 もしかしたら、これがかすみちゃんの潜在的な強さなのかも……

 今回は、エルフグレーン王国のプリンセス、フローラちゃんが来日。フィギュアを愛するものどうしで同年齢の子たちと仲良くなれて大喜びです。

 最初は反発しあっていた涼森美桜ちゃんとはよきライバルにもなり、かすみちゃんの周囲はお互いに高めあういい関係の選手たちが増えてきました。
 反面、学校での「ふつうの友だち」とはどうもうまくゆかず……

 何かを目指し情熱的に打ち込んでいる人は、そうでない人とは合わなくなってしまうことがままあります。
 最初はフィギュアスケート選手としてクラスメイトにちやほやされていたかすみちゃんでしたが、ちょっとしたぶつかり合いであっと言う間に距離が離れてしまいます。
 そんなときに助け舟を出してくれたのは、いつもは他人とつるまずにひとりで過ごしている山下さんでした。

 もしかしたら山下さんも何か打ち込めるものがある子なのかもしれません。
 「自分だけの大切な世界」がある子は「ひとりでいること」を辛いと感じることなく「ひとりの時間」を大切にすることができます。むしろ、「ひとりの時間」がないと困るのです。
 それは自分自身との時間を大切にしているだけで「孤独」とは違うので精神的に安定しています。
 山下さんはクラスの「ふつうの子たち」の間で孤立しかけていたかすみちゃんを助け、寄り添ってくれました。

 ゆっくりだけど、一歩一歩着実に成長しているかすみちゃん。
 中学生になったかすみちゃんはどんな演技をみせてくれるのでしょうか。今後の展開が楽しみです。

 文章はかすみちゃんの一人称で書かれており、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。読みやすいので小学校中学年から。賢い子なら低学年でも大丈夫。

 フィギュアスケートが大好きなお子さまにおすすめの少女小説です。
 これからのフィギュアシーズンを楽しむためにもぜひどうぞ!

 ※この本には電子書籍もあります。

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 ネガティブな要素はありません。システムやルールの解説も詳しく、フィギュアスケートが大好きなお子さまにおすすめです。

 魅力的なキャラクターが次々と登場し、群像劇としても魅力があります。女子のキャラクターが豊富なので、きっと感情移入できる誰かがみつかるでしょう。女の子同士の熱い友情も素敵です。

 

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