【野ばらの村のふねのたび】初夏の風にふかれて海へ!野ねずみたちの大冒険。愛されるロングセラー【アドベンチャーシリーズ】【小学校低学年以上】

2024年4月9日

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野ばらの村のふねのたび   ジル・バークレム/作 こみやゆう/訳 出版ワークス

ある夏、きりかぶぐらのの塩がなくなってしまいました。そこで、ダスティとポピー、ウィルフレッドとプリムローズは船に乗って海辺のねずみの塩をもらいにいくことになりました……

この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 美しい絵☆☆☆☆☆ 夏のファンタジー☆☆☆☆☆

野ばらの村のふねのたび   ジル・バークレム/作 こみやゆう/訳 出版ワークス

<ジル・バークレム>
1951年にロンドン郊外にあるエピングの森の近くで生まれた。ロンドンのセント・マーチンズ美術学院に学んだが、毎日ロンドン市内に通学するうちに、エピングの豊かな自然と生活をあらためて見直すようになり、それが“のばらの村のものがたり”シリーズとして実を結んだ。1981年第16回世界絵本作家原画展(至光社、丸善供催)みみずく賞、1982年度ボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞

 原題はBrambly Hedge : Sea Story .イギリスでの初版は1990年。日本語版は、かつて 岸田衿子訳「海へいった話」というタイトルで、講談社から1991年に出版されました。
 一度絶版になり、出版ワークス様から2022年に出版されています。新訳は小宮由先生です。

「野ばらの村」シリーズは、どの順番で読んでも楽しめるのですが、順番通りに読みたい方は、まずは第一巻「野ばらの村のピクニック」からお読みになってください。

 ※「野ばらの村のピクニック」のレビューはこちら

 おはなしは……

 ある夏、きりかぶぐらの塩がなくなってしまいました。
 そこで、ダスティ、ポピー、ウィルフレッド、プリムローズは船に乗って海辺のねずみな塩をもらいにいくことになりました。

 順調にみえた船の旅も、ウィルフレッドがふざけたせいで座礁してしまいます。
 やっと海岸にたどり着いた4匹は、海岸に住むねずみのソルトアップル家のもてなしを受けます。

 山で育った4匹には、見るもの、食べるものすべてが新鮮なおどろきに満ちていました……

 ……と、いうのがあらすじ。

 野ばらの村の塩が足りなくなり、粉引き屋のダスティとそのおくさんのポピー、トードフラックス家のウィルフレッドと森ねずみ男爵の娘プリムローズの4匹が船に乗って海辺の村へ塩をもらいに行くことになりました。

 はじめての船の旅、様々なアクシデントはありましたが、海辺のソルトアップル家にたどりつきます。
 ソルトアップル家はだんなさんのパースレイン、おくさんのスリフト、お兄ちゃんのぺプル、妹のシェル、シュリンプの三匹の子どもたちです。

 ウィルフレッドたちははじめて見る海におおはしゃぎ。
 海藻料理をいただいたり、見たこともない野菜を食べたり……

 嵐を避けて家の中ですごしたりとスリリングな体験も。
 ソルトアップル家から塩とおみやげをもらい、野ばらの村へと帰る4匹。たくさんの土産話ができたみたいです。

 いつもは美しい野ばらの村の大自然のなか、のどかに暮らす野ねずみたちの日常を描いているこのシリーズですが、今回はかなりの大冒険。

 新しい友だちもできて、新鮮な驚きに満ちた物語です。

 ジル・バークレムの絵は、「ピーター・ラビットの絵本」のビアトリクス・ポターや妖精画家シシリー・バーカーのようなリアリティ路線。
 かぎりなくリアルに近い野ねずみたちを二足歩行させて、クラシックなイギリスの衣装を着せて生活させているファンタジーです。

 また、切り株や土手をくりぬいてドールハウスのような家を描くのも魅力の一つ。
 今回も、ソルトアップル家の土手のお屋敷が詳細に描かれています。

 文章は読みやすく、漢字交じりですがすべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビなので、50音さえ読めればお子さまひとりでコツコツ読むことができます。ただ、文章の量が多いので小学校低学年以上。

 デザイン的にもおしゃれで、隅から隅まで愛らしい絵本です。親子での読み聞かせもいいですが、大人の和み絵本としても。

 疲れた日には、あたたかいミルクティーをたっぷり注いだマグカップをお供に、童心に戻って読んでみてはいかがでしょう。

 わたしは、心身ともに疲れたときは、激しい音楽を聴いたりドラマを見たり、長い小説も読むことができないときがあります。そんなときは、絵本を読んで癒されるのが大切なひととき。

 「野ばらの村」シリーズの美しい絵とのどかなストーリーは、しんどい心をふかふかの毛布みたいに包み込んでくれます。

 読み終わったらリビングに飾っても。
 愛されてきたロングセラー、お手元にぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素がいっさいありません。忙しい日常でお疲れのHSPやHSCにおすすめです。どこをとっても美しく、愛らしい絵本です。大切な方への贈り物にも。

 動物が好き、イギリスのクラシックな雰囲気が好き、ピーター・ラビットが好き、シルバニアファミリーがお好きな方に。

 読後は、たっぷりの濃いミルクティーでひとやすみ。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

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