【波のパラダイス】あの名作の姉妹シリーズ。謎とサスペンスの野良猫ハードボイルド第4巻【三日月島のテール】【小学校高学年以上】

2024年4月10日

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波のパラダイス 三日月島のテール 4 竹下文子/作 鈴木まもる/絵 偕成社

おれの名はテール。海の宅配便「ドルフィン・エクスプレス」の配達員だ。ある日、奇妙な荷を引き受けてトラブルに巻き込まれてしまう。そのうえ、いいとこのぼっちゃんの「社会勉強」につきあうことになり……あの「黒ねこサンゴロウ」の姉妹版が新装版で。

この本のイメージ 野良猫☆☆☆☆☆ ハードボイルド☆☆☆☆☆ サスペンス☆☆☆☆☆

波のパラダイス 三日月島のテール 4 竹下文子/作 鈴木まもる/絵 偕成社

<竹下文子>
竹下 文子(たけした ふみこ、1957年2月18日 ~ )は 日本の児童文学作家。夫は画家の鈴木まもる。福岡県生まれ、東京学芸大学教育学部卒業。大学在学中より執筆を行う。1978年「月売りの話」で日本童話会賞受賞。1979年『星とトランペット』で第17回野間児童文芸推奨作品賞受賞。1985年『むぎわらぼうし』で絵本にっぽん賞受賞。1994年『黒ねこサンゴロウ旅のはじまり』『黒ねこサンゴロウキララの海へ』で路傍の石幼少年文学賞受賞。2009年『ひらけ!なんきんまめ』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。2020年『なまえのないねこ』で日本絵本賞、講談社絵本賞受賞。(wikipediaより)

<鈴木まもる>
1952年、東京都に生まれ。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さしえ賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。

 伝説の児童小説「黒ねこサンゴロウ」の姉妹シリーズ「三日月島のテール」シリーズ。初版は2006年岩崎書店から。第1巻「ドルフィン・エクスプレス」が出版されてから20年経って2022年、偕成社から新装版が出版されました。表紙は鈴木まもる先生描き下ろし。挿絵も新しいカットが追加されています。

 お話は一話完結で、どの巻から読んでも大丈夫なつくりになっていますが、第1巻「ドルフィン・エクスプレス」から順番にお読みになったほうがわかりやすいでしょう。

 「ドルフィン・エクスプレス」のレビューはこちら

 また、このシリーズだけでも充分面白くて楽しめるのですが、「黒ねこサンゴロウ」と同じ世界観ですのでより深く理解するためには「黒ねこサンゴロウ」シリーズと「黒ねこサンゴロウ旅のつづき」シリーズをお読みになったあとにお読みになることをおすすめします。

 「黒ねこサンゴロウ」のレビューはこちら

 今回のストーリーは……

 テールがアケビ島で引き受けたある荷物。それは特殊な「香り」のオイルが入っていたのだが、中のコルクが抜けて臭いが染み出してしまう。
 荷物を送り主に戻し、事務所に戻ろうとしたテールは、香りの影響で船を傷つけてしまう。

 配達をはずされ、落ち込むテールに割り当てられたのは訓練用の0号船。

 いいとこのぼっちゃんの「社会勉強」に付き合うはずが、やがて大きな事件に巻き込まれ……

 ……と、いうのがあらすじ。

 この物語は「ねこ族」と言う二足歩行している猫が服を着て人間の言葉をしゃべり生活している世界でのファンタジー。「黒ねこサンゴロウ」シリーズと同じ世界観で、今回の舞台は三日月島です。

 このシリーズは、「ねこ+海+ハードボイルド」がコンセプト。

 ハードボイルド……若いときは渋くてあこがれました。
 今は、もういいかな……なんて思ってしまうときがあります。歳をとりすぎたんですね。

 若いころは、渋い大人がかっこいいと思っていましたが、自分が歳をとると「大人って案外、かっこよくないし渋くもないな」としみじみ思ってしまいます。

 むしろ、歳をとればとるほど子どもっぽくなる人もいる。(良くも悪くも)
 まあ、そういう「子どもっぽい大人」にもいいところはあるし、自分も子どものころに期待したようにはぜんぜん成長していないので、現実はこんなもんかなと思ってはいるのですけども。

 テールがサンゴロウと少しちがうのは、テールにはサンゴロウのようなニヒルさはなく、まだまだ熱いハートの若者なのです。
 危険なことには嫌々ながらほっとけなくて首を突っ込むいいところもあるけれど、一番大切な幼馴染のジョナのことを肝心なときに忘れてしまうようなダメなところもある。

 ハードボイルドって言うよりは、まだまだ半熟な感じ。
 渋くなりたい半人前の若者の冒険ストーリーです。

 子供向けコンテンツでも、定期的にハードボイルド風味の作品が発表されるので、ハードボイルドがお好きなお子さまもいると思います。

 「ルパン三世」や、「紅の豚」「カウボーイビバップ」「仮面ライダーW」「コブラ」「シティーハンター」などが好きなら、「三日月島のテール」のシリーズはおすすめ。

 この物語はだいたい対象年齢が小学校高学年くらい。ふつうの文章よりはひらがなの配分が多く、総ルビではありませんが簡単な漢字以外には振り仮名が振ってあります。物語を読みなれた賢い子なら中学年くらいから。

 今回は、ハラハラドキドキのサスペンスストーリーです。
 サスペンスと猫が大好きな方に。大人が読んでも面白いですよ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

  「黒ねこサンゴロウ」と同じ世界観なので、サンゴロウシリーズを読んでからのほうがわかりやすいですが、読まなくても理解できます。謎解き要素もあるので、ミステリーやサスペンスが好きな人におすすめです。

 今回は謎解きよりも、サスペンス要素が強いストーリーです。山場がドラマチック。

 

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