【わかったさん】マドレーヌを作ってみよう！ おてんば姫とつくるおいしいお菓子。楽しいクッキングファンタジー！【わかったさんのマドレーヌ】【小学校低学年以上】
この本のイメージ マドレーヌ☆☆☆☆☆ 海賊姫☆☆☆☆☆ 不条理ファンタジー☆☆☆☆☆
わかったさんのマドレーヌ 寺村輝夫/作 永井郁子/絵 あかね書房
＜寺村 輝夫＞
1928年東京生まれ。早稲田大学卒業。『ぼくは王さま』で第15回毎日出版文化賞受賞。1984年「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により第17回巌谷小波文芸賞を受賞。2006年没。
おいしくて楽しい、クッキングファンタジー「わかったさん」のシリーズ。「わかったさんのマドレーヌ」は1991年初版です。
「わかったさん」のシリーズはお菓子の作り方を「不思議の国のアリス」のような不条理なファンタジーにのせて教えてくれるクッキングファンタジー。
けれど、取り上げるお菓子は「ホットケーキ」のような簡単なものだけでなく「ドーナツ」や「シュークリーム」「ショートケーキ」などかなり本格的で盛りだくさん。
子どもだからといって手加減はなく、「楽しくなったらどんどん難しいレシピに挑戦してみようよ」という寺村先生の想いが伝わってきます。
今は、空前の自炊ブーム。
YouTubeでも自炊動画は大人気。
自炊できると生活費がかなり節約できますし、上手になれば自分好みの味付けにできるようになり、出来合いや外食よりも美味しい生活をできたりもします。
子どものころからキッチンに立つ習慣があると大人になってからの生活が断然楽しくて楽になります。
それに、自分のおやつを自分で作れるようになったら、子どもだってこんなに楽しいことはありません。
お菓子屋さんのケーキは高いし、なかなか買ってもらえないけれど、自分で作れば食べたいときに食べるぶんだけ作れます。
さて、今回のストーリーは……
港の「マドレーヌ号」からクリーニングの注文をうけたわかったさん。
早速、港にむかいますが、そこにあったのは昔ふうの海賊船。
指示にしたがって神社まで行くと、海賊がひとり。
何かを教えろと言っているみたい。いったい何を？
海賊に振り回されっぱなしのわかったさんでしたが、彼らが知りたいのは「マドレーヌ姫にも作れる簡単でおいしいケーキの作り方」だとわかり、マドレーヌを一緒につくることに……
……と、いうのがあらすじ。
今回のテーマ「マドレーヌ」は貝殻の形をしたお菓子。
ホットケーキやババロア、ゼリーなどに比べたら、難易度の高いお菓子です。
でも、マドレーヌを作れるようになったら、自宅でちょっぴりおしゃれなティータイムを楽しむことができるし、かわいくラッピングしたらお友だちにプレゼントもできます。クッキーよりちょっぴり豪華で、トクベツ感があるお菓子だから、大好きな友だちへのプレゼントにはぴったり。
卵を泡立てるのが面倒ですが、わかったさんとマドレーヌ姫のように昔ながらの泡だて器で泡立てなくても、今は電動泡だて器があるので楽チンです。また、最近は100均の卵泡だて器を使う人もいるよう。一人ぶんをちょこっと作るだけなら、それでもいいですよね。
バターをたくさん使うのがちょっぴりお財布に痛いけれど、オイルで代用する方法もあります。（とはいえバターを使ったほうが断然おいしい）
最近は、おからパウダーを使ったダイエットレシピもあって、マドレーヌの世界も奥深いのです。
巻末には永井先生の絵で「ふんわりあまいマドレーヌの作り方」だけでなく、おいしい紅茶のいれかたや、アレンジティーのレシピ、マドレーヌのちょっとしたアレンジアイディアもあってわくわくしてきます。
落ち込んだときや元気の出ないときは、おうちでお菓子を作って、少しだけていねいにお茶をいれ、お気に入りのティーカップでティータイムをしましょう。
いちばん好きなワンピースに着替えて、ひとりお茶会です。
最近の100円ショップにはおしゃれなティーマット（お茶をするときに食器の下に敷く一人用の布）も売っています。敷物を敷いて、ミルクピッチャーを添えたりするだけで、マグカップの紅茶だってぐんとおしゃれ。
小さなお子さまと一緒に、お城のティータイム気分を味わうのも楽しそう。
お姫様気分でおやつタイムを楽しんでいると、沈んでいた気持ちもじんわりほぐれて少しずつ浮上してくるから不思議なものです。お茶やお菓子は手軽に気持ちを上げてくれる力強い心の味方。
時々は、自分をいたわってあげてくださいね。
はちみつが入った、ふんわり甘いマドレーヌ。
お姫様のお菓子で、今日も元気にまいりましょう！
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。
楽しくてカラフルなクッキングファンタジーです。
マドレーヌ姫の色とりどりのドレスが豪華で、目が楽しい。図解つきのレシピをよく読んでマドレーヌつくりに挑戦してみましょう。
読後はマドレーヌとおいしい紅茶でティータイムを。
https://www.mmanorhouse.com/2020/01/14/post-1229/
