【スカンダー】ユニコーンとともに冒険の旅へ!心躍るファンタジーの開幕!【スカンダーと奪われたユニコーン】【中学生以上】
スカンダーはユニコーンライダーになるのを夢見る13歳だ。ユニコーンの棲む秘密の島で行われるライダー予備試験。待ちに待った試験の日、思いもよらぬことが起き……(スカンダーと奪われたユニコーン スカンダー 1 A.F.ステッドマン/作 金原瑞人 吉原菜穂/訳 潮出出版)
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ ユニコーン☆☆☆☆☆ 冒険☆☆☆☆☆
スカンダーと奪われたユニコーン スカンダー 1 A.F.ステッドマン/作 金原瑞人 吉原菜穂/訳 潮出出版
<A.F.ステッドマン>
ロンドン在住の29 歳。法律関係の仕事をしていたが、物語を書くことに集中したいと考え、ケンブリッジ大学でクリエイティブライティングを学ぶ。2019 年に優秀な成績で修了し、修士号を取得。ユニコーンの一般的なイメージについて疑問を持ち、真逆の性質を持ったユニコーンがいてもいいのではと思ったところから、どう猛なユニコーンのアイデアを思いつき、本作の初稿を3 カ月で書き上げた。
<金原瑞人>
(かねはら みずひと、1954年(昭和29年)11月29日~ )は、日本の翻訳家・児童文学研究家。法政大学社会学部教授。学位は、文学修士(法政大学)。芥川賞作家金原ひとみの実父。
<吉原菜穂>
北海道に生まれ徳島で育つ。立命館大学文学部卒業。白百合女性大学大学院修士課程修了。医療機器輸入商社での勤務を経て児童書の翻訳の勉強を始める。訳書に「おうちをさがして」(潮出版社)がある。
イギリスからやってきた心躍るファンタジーのご紹介です。
原題はSkandar and the Unicorn Thief.イギリスでの初版は2022年4月。日本での初版は2022年5月です。ほ、翻訳家さんすごい。
さて、お話は……
ユニコーンを駆ってレースをするユニコーンライダーがいる世界。
スカンダーはユニコーンライダーになるのを夢見る13歳だ。
この世界では、13歳になると予備試験を受けて秘密の島へ行き、自分と魂のつながったユニコーンを探す。
そこで見つけられればライダーとなれるのだ。
しかし、待ちに待った予備試験の日、思いもよらぬ事件が起きてスカンダーはトラブルに巻き込まれてしまう。
見知らぬライダー、アガサの助力で乗り越えたかに見えたのだが、試練はさらに続き……
……と、いうのがあらすじ。
ユニコーンライダーを育成する特別な養成所「エアリー」の存在、一癖も二癖もある同期たち、出生の秘密、そしてユニコーンとこの世界の謎など、「ハリー・ポッター」を髣髴とさせるところもあります。
また、魂でつながりあった幻想生物を見つける話は「十二国記」を思い出させますし「ダークマテリアルズ」のダイモンにも似たところがり、これらの作品が好きな方ならきっとハマるはず。
この世界のユニコーンは、一般的なファンタジーに登場するキラキラしてゆめかわな存在ではなく、肉食で猛々しい、制御するのも難しい幻想生物です。
しかも、スカンダーには秘密にしていなければならない能力もある。
はたして、彼は次々と襲い来る試練を乗り越えられるのか?
最初はバラバラだったスカンダーの同期たちが、数々の試練を越えて友情を深めてゆくところも熱いのです。人数バランスとしてかなり女性キャラが多いので、これから男の子や男性キャラが増えるかも。
少年少女たちはそれぞれに親子の問題を抱えており、「エアリー」での生活や冒険を通じてそれらを乗り越えてゆこうとする姿も応援したくなります。
かなりボリュームがありますが細かい章に分かれているので読みやすいと思います。
振り仮名が少ないので中学生以上から。ただ、そんなに難しい漢字ばかりではないので賢い子なら小学校高学年から読めるかもしれません。
一年一冊のペースで続巻が出版される予定のようです。すでに第二巻は昨年出版されています。今年は第三巻出版の予定のようです。楽しみですね。
ユニコーンと少年少女たちが織り成す新たなファンタジー。
ファンタジーや冒険物語が大好きな方に。幻想生物が好きな方に。
日常に魔法をプラスしたい気持ちになったら、「スカンダーと奪われたユニコーン」をぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ユニコーンの設定が肉食で狂暴というものなので、残酷なシーンはありますが配慮されて書かれています。
「そういうシーンがあるのだな」と身構えていれば楽しめる方なら大丈夫。
大人も楽しめる本格ファンタジーです。
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