【ガラスの大エレベーター】あの後、チャーリーはどうなったの?チョコレート工場での大冒険の続編。こっちを先に読んではいけません。【小学校中学年以上】

2024年1月31日

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ガラスの大エレベーター ロアルド・ダール/作 柳瀬尚紀/訳 評論社

「チョコレート工場の秘密」で、大冒険した後のチャーリーたち。ガラスのエレベーターは、宇宙まで飛んでしまいました……。いったいどうなる、チャーリー一家。(ガラスの大エレベーター ロアルド・ダール/作 柳瀬尚紀/訳 評論社)

この本のイメージ バカバカしい☆☆☆☆☆ 抱腹絶倒☆☆☆☆☆ 無茶しやがって☆☆☆☆

ガラスの大エレベーター ロアルド・ダール/作 柳瀬尚紀/訳 評論社

<ロアルド・ダール> 1916?90年。サウス・ウェールズ生まれ。イギリスの作家。第二次世界大戦中イギリス空軍のパイロットとして従軍した時の経験を描いた作品で作家に。 

 「チョコレート工場の秘密」の続編です。
驚くべきことに、「チョコレート工場の秘密」のラスト直後から物語が始まっています。ほぼ説明無しで強引に話が進みます。ので、まずは「チョコレート工場の秘密」を読みましょう。でないと、わけがわかりません。

 わー、30年くらい前なら、もっと面白かったろうな!と思うようなバカSFです。
前回のラストで、チャーリーの家に激突したガラスのエレベーターは、そのまま宇宙に飛び出してしまいます。

 そこで、宇宙怪獣が出てきて闘うことになるんですけど、このあたりのバカっぷりは、今のように科学が進歩した時代じゃなくて、もう少し昔ならすっごく面白くて子どもも楽しんだと思います。今でも充分楽しいのですが。

 ちょっとでも宇宙や科学の知識がついてしまうと、つまんなくなってしまうのでそこが残念です。なるべく幼いうちに読むべきかも!

 後半は無事チョコレート工場に戻ってきたワンカさんと、チャーリー一家のドタバタ劇。

 またしても、ワンカさんが自分の発明した謎のビタミン剤をばーちゃんたちに飲ませようとし、それをめぐって、しっちゃかめっちゃかの大騒動になります。

 前半はちょっと退屈だけど、後半は一気にスピーティーに動く感じです。

 まあ、なんというか、相変わらすワンカさんがマッドなサイエンティストで人でなしすぎます。どう見ても、チョコレート会社の敏腕経営者とかじゃなくてキチ○イ博士です。そして、登場するお年寄りたちが小さな子供並に自制心がなくて困ります。

 ダール特有のブラックユーモアにあふれた作品なので、好きな人には堪えられないでしょうし、受け付けない人にはダメだと思います。ただし、「ガラスの大エレベーター」は「チョコレート工場の秘密」を読んだ人が読むと思われるので、ある程度耐性がある人なら、きっと大丈夫でしょう。

 チャーリーを引き取っておきながら、ワンカさん、チョコレート工場を手放す気があまりなくて、けっこう不安になります。この後、この人たちと暮らすのか…チャーリー大変だな。とまたしてもしみじみ。
たいていのトラブルはお金があれば解決できるのですが、ワンカさんの場合、莫大な財産がワンカさんのムチャクチャさを拡大してるので、マッド天才+大富豪の恐ろしさを見せ付けてくれます。誰か止めて!

 ぜひ、「チョコレート工場の秘密」と2冊続けて読んでください。記憶が新しいうちに。
一気に読むと楽しいファンタジーSFです。

 でも、「マチルダは小さな大天才」のほうが、万人受けして面白いと思います。お子様の反応が心配なときは、ぜひ、「マチルダ」のほうを先にどうぞ。

※この本には電子書籍があります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

面白いんですけど、神経の太い人向けです。でも、小さな子供のムチャクチャさと共通する部分がかなりあるので、お子様には喜ばれる気がします。内向的だったり不登校気味のお子様には「マチルダは小さな大天才」のほうがおすすめです。

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