【どんなにきみがすきだかあててごらん】バレンタインにぴったりの絵本。親子にも、友達にも、大人にも。【4歳 5歳 6歳】
ちいさいちゃいろいノウサギは、おおきいちゃいろいノウサギに言いました。「きみのこと、どんなにすきだか あててごらん」「そんなのわからないよ」「こーーーーーんなにだよ」。ちびウサギとでかウサギのほのぼのやりとりがかわいらしい、ほんわか絵本。
この本のイメージ 好きの大きさ☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆☆ 自己肯定と他者肯定☆☆☆☆☆
どんなにきみがすきだか あててごらん サム・マクブラットニィ/文 アニタ・ジェラーム/絵 小川仁央/訳 評論社
<サム・マクブラットニィ>
1943年、北アイルランドに生まれる。教師をしていた30代のころから子どもの本を書きはじめ、現在は執筆に専念。
<アニタ・ジェラーム>
アニタ・ジェラーム(Anita Jeram)はイギリスの挿絵画家。イギリスのポーツマスで育つ。マンチェスターメトロポリタン大学で美術を学び、イラストレーションの学位を取得。大学在学中から絵本を出版しまし始め、中でも、1994年お話はサム・マクブラットニィ、絵はアニタ・ジェラームによって描かれた絵本『Guess How Much I Love You』(どんなにきみがすきだかあててごらん)は現在53ヶ国で翻訳され2,800万部販売される。同年にはブリティッシュ・ブック賞やクルト・マシュラー賞を受賞。
<小川 仁央(おがわひとみ)>
翻訳家。英米の絵本を中心に活躍。おもな翻訳絵本に『わすれられない おくりもの』、『どんなにきみがすきだかあててごらん』、『パパとママのたからもの』、『だめよ!デイビッド』(以上、評論社)など。
本日は、絵本のご紹介です。バレンタインに、親子で、親友同士で、夫婦で、彼氏彼女でプレゼントするのにぴったりの絵本です。
初版は1994年。原題は、Guess How Much I Love You. 世界53ヵ国で翻訳され、27年以上愛されるロングセラーです。
お話は、とても単純で、
茶色いちびウサギが、でかウサギに「きみのこと どんなにすきだか あててごらん」と言います。
「そんなのわからないよ」とでかウサギ。
「こーーーーんなにだよ」と両手を広げるちびウサギ。
「でも、ぼくはこーーーーーんなにだよ」とでかウサギ。
それは叶わないなと思ったちびウサギは
「きみのこと、せいのび せいいっぱい すきだよ」と思いっきり背伸びします。
するとでかウサギは
「ぼくはきみのこと ぼくのせいのび せいいっぱい すきだよ」と答えます。
でかウサギの背伸びせいいっぱいは、でかい。
ちびウサギは、あんなのには叶わないと思います。
「逆立ちした足のさきっちょまで」と言ってもでかウサギの逆立ちのほうがでかいし
「こんなに飛び跳ねるくらい」と飛び跳ねてみても、でかウサギの跳躍のほうがでかい。
ちびウサギは次々といろんな表現をするのですが、でかウサギの答えにはいつも負けてしまうのです。
そして、日が沈んでお月様が出て、ねむくってしょうがなくなるまでがんばるのですが
とうとう眠ってしまうのでした。
かわいいお話です。激萌え!
サム・マクブラットニィは、「パパとママのたからもの」や「せかいいちしあわせなクマのぬいぐるみ」など、子どもの自己肯定感を育む絵本を描くので有名な作家です。
このお話の、ちびウサギとでかウサギの関係は、親子とも兄弟とも、親友とも、恋人とも夫婦とも、なんとでも受け取れますが(でも多分作者の意図はおそらく親子)、最初から最後まで相手を肯定する言葉に満ちているので、小さいお子様へのプレゼントにぴったり。
もちろん、親友、大切な人へのバレンタインプレゼントにもおすすめです。
当ブログでは誕生日やクリスマス、バレンタインなど、特別なときに大切な人へ児童文学や絵本をプレゼントすることを絶賛ゴリ押し中です。(迷惑)
大人になったからと言って、絵本や児童書から卒業する必要はありませんよね。
くたくたに疲れた後、寝る前の短い時間や週末のお休み時間など、絵本や児童文学は、心をリフレッシュするのにぴったり。
疲れた身体の回復や、抱えている問題の解決はすぐにはできなくても、心のコリをほぐして、ほんわかする時間をつくるのは大切です。
本当に疲れているときは、おいしいものを食べても、音楽を聴いても、お風呂に入っても、どうにもならないときもあります。
そんなとき、ハーブティでも飲みながら、絵本を読んでみてください。
大きなひらがなで書かれている、あたたかみのある絵の、ほのぼの絵本を読んでいるうちに、じんわりじんわりと、心がほぐれてくるのです。
それは、深いところで疲れ果てていた、のびのびとした子供心が、少しずつ元気付けられているからかもしれません。
大人になれば、人生にはいろんな困難があります。
そして、そんな困難に立ち向かえるような人になるためには、子どもの頃の自己肯定感が大切なのです。
自己肯定感というのは、自分の長所も短所もひっくるめて「ありのままの自分」を受け入れることです。これは、よく「自己正当化」や「自己中心的自己愛」と混同されがちなのですが、似て非なるものです。
自己肯定感が高い人は、自分の失敗や欠点も肯定できるし、他人の失敗や欠点も肯定できます。
自己肯定感はどうして生まれてくるのかと言えば、子どもの頃に、数ある欠点も含めて、自分をまるごと受け入れてもらえた経験が土台になります。
「成績がいいから」「かわいいから」「いいつけをよく守るから」「おりこうだから」「おとなしくお留守番をするから」「家のお手伝いをするから」「役に立つから」「自慢できるから」「下の子の世話をしてくれるから」(条件付きの肯定) だからあなたが大好き、なのではなく「あなただから」(絶対肯定)。
たがいに全力で肯定しあう、ちびウサギとでかウサギ。無敵の絶対肯定です。
日本人は、相手を肯定する言葉を、なかなか口に出せません。愚痴や心配事は口に出せても、子どもをほめたり、いいところを口に出したりすることが苦手です。
けれど、そんなときでも、絵本を読めは、伝えることが出来るのはず。
𠮟ってばかりでなかなかほめることができなかったり、余裕が無くて優しい言葉をかけることができないときでも、絵本をプレゼントしたり、読み聞かせしてあげることができたら、気持ちは伝わります。
どうか、読み聞かせしてあげてください。
また、温かみのある絵と装丁は、リビングに飾っても、ほのぼのとした気持ちになります。
お子様に、お孫さんに、弟や妹に、親友に、パートナーに……
いい本なので、かぶっても問題なし!
バレンタインのプレゼントの候補に加えてみてくださいね。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はいっさいありません。感受性の高いHSPとHSCにおすすめの、和み絵本です。
自己肯定感を高める要素がたっぷり詰まっており、大人が読んでも癒されます。
読み聞かせに、プレゼントに、大人の和み時間に。納得のロングセラーです。
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