【ゆめくい小人】こわい夢を食べてくれる小人がいたら?エンデの不思議なファンタジー絵本【4歳 5歳 6歳】
まどろみ国のすやすや姫は、こわい夢を見るので眠るのを恐れていました。姫をぐっすり眠らせてやりたい王さまは、その方法を探して旅に出ました。そして、ある場所で、不思議な小人に出会ったのです……
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ おやすみ前の☆☆☆☆☆ ミヒャエル・エンデ☆☆☆☆☆
ゆめくい小人 ミヒャエル・エンデ/作 アンネゲルト・フックスフーバー/絵 さとうまりこ/訳 偕成社
<ミヒャエル・エンデ>
ミヒャエル・エンデ(Michael Ende, 1929年11月12日 ~ 1995年8月28日)はドイツの児童文学作家。父はシュールレアリスム画家のエドガー・エンデ。1989年に「はてしない物語」の翻訳者佐藤真理子と結婚。代表作は「モモ」「はてしない物語」
<アンネゲルト・フックスフーバー>
1940年、東ドイツのマグデブルグ生まれ。12歳の時から絵本を描き、西ドイツのアウグスブルグ工芸美術学校で学んだ後、印刷会社で植字を習う。ミュンヘンで商業デザイナーを経て、本のイラストレーターとして活躍。料理本やパズル、新聞イラスト、カレンダーも手掛ける。「友だちのほしかった大おとこの話」でドイツ児童文学賞を受賞。
<さとうまりこ>
佐藤 真理子。上智大学ドイツ文学科卒業。1974年から1985年までミュンヘンの国際児童図書館日本部門勤務。ミュンヘン大学で民俗学・中世ドイツ文学を専攻。1989年、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデと結婚している。
「モモ」や「はてしない物語」で知られるドイツの児童文学作家、ミヒャエル・エンデの不思議な絵本、「ゆめくい小人」です。原題は、Das Traumfresserchen.ドイツでの初版は1978年です。
ストーリーは……
まどろみ国では、眠ることが一番大事。大切なのは、長く眠ることではなく、ぐっすり眠ること。いちばんよく眠る人が王様になるのでした。
さて、この国のお姫様、すやすや姫は、なかなか眠りたがらないお姫様でした。なぜならば、こわい夢を見てしまうからです。
眠れないお姫様は、日に日に顔色が悪くなり、やせてゆきます。
心配した王様は、すやすや姫がぐっすり眠れる方法を探しに旅に出ました。
そして、荒野で奇妙な小人……ゆめくい小人に出会ったのです。
……と、言うのがあらすじ。
このところ世の中は、激動の連続で、何度も続く天変地異の次は、ついに戦争が始まってしまいました。
悪い夢を見ているようです。
人は生きてゆくためには、眠らなければなりません。まどろみ国のきまり、長く眠るよりぐっすり眠るのが大事、と言うのは、本当に大切なことですよね。
健康のために大切ことは、よく食べることとよく眠ること。悩み事が多すぎて、ごはんを食べる気がしなくなったり、眠れなくなったりするのは、体調を崩す前触れです。
まずは、ゆっくりとお風呂に入って、よく眠り、よく食べる。生きてゆくには、この基本的なことがとても大切です。
すやすや姫は、こわい夢を見てしまうため、なかなか眠れませんでしたが、ゆめくい小人のおかげでぐっすり眠れるようになりました。
ゆめくい小人は、こわい夢が大好物なので、こわい夢をおなかいっぱい食べることができて、ゆめくい小人は幸せ、こわい夢がなくなってすやすや姫も幸せ。どちらも得をしているのがいい。
文章は平易で読みやすく、漢字にはふりがながふってありますが、文章量がわりと多くて、お話としてボリュームがあるので、おやすみ前の読み聞かせに向いています。
なんだか最近は、こわいことが多いご時勢ですが、この不思議な絵本をおやすみ前に読んで、こわい夢をゆめくい小人に食べてもらいましょう。きっと朝になったら手、すっきりとしているはず。
お子さまの不安も、お父さんお母さんの心配も、小人に食べてもらえる魔法の絵本です。一人娘のために世界中を旅する王様の愛情もたっぷり詰まっています。
フックスフーパーの幻想的な絵も素敵。エンデのファンのコレクションアイテムとしてもおすすめです。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
少しくせのある、幻想的な絵の絵本ですが、「こわい夢を食べてくれる」と言う小人の設定と、娘のために世界中を旅する王様の愛情に癒されます。
なかなか眠れないお子様に、おやすみ前の読み聞かせにおすすめです。眠れない大人のための和み本としても。
ミヒャエル・エンデの、独特のファンタジックな世界が眠りの世界へ誘ってくれます。
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