【こまったさん】こまったさんとオムレツをつくろう! 楽しくかんたんクッキング【こまったさんのオムレツ】【小学校低学年以上】

2024年3月31日

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こまったさんのオムレツ 寺村輝夫/作 岡本颯子/絵 あかね書房

ある日、こまったさんのもとへ葉書が届きます。「おめでとうございます!オムレツ島への旅行が当選しました」オムレツ島? それはいったいどこのこと? こまったさんの不思議な冒険がはじまります……

この本のイメージ オムレツ☆☆☆☆☆ 卵☆☆☆☆☆ 納豆☆☆☆☆☆

こまったさんのオムレツ 寺村輝夫/作 岡本颯子/絵 あかね書房

<寺村 輝夫>
1928年東京生まれ。早稲田大学卒業。『ぼくは王さま』で第15回毎日出版文化賞受賞。1984年「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により第17回巌谷小波文芸賞を受賞。2006年没。

 お話を読みながらお料理への興味を育てる、クッキングファンタジー「こまったさん」のシリーズ。今回のテーマはオムレツ。初版は1983年。

 こまったさんは、駅前のお花屋さんの若奥さま。何かおきるとなんでも「こまった、こまった」というので、旦那さんのヤマさんから「こまったさん」と呼ばれています。

 ある日、こまったさんのもとに葉書がとどきました。

 「おめでとうございます!あなたはオムレツ島りょこうにとうせんしました。四月三十一日、七時、えきまえから出ぱつです」

 オムレツ島? はて、なんのことでしょう。
 でも、旅行は楽しみです。

 こまったさんは、家に帰ると明日の朝ごはんの準備をするために冷蔵庫をあけました。
 ところが、冷蔵庫はからっぽ。

 驚いているうちに、こまったさんは冷蔵庫に閉じ込められてしまいます。さあ、たいへん!

 冷蔵庫のなかだと思ったら、不思議な世界にたどりつきます。

 そこはオムレツ島。玉虫色の服を着て、羽を生やした不思議なおじいさんが、こまったさんに話しかけます。
 なんと、うまくオムレツを作れれば家に帰れるけれど、つくれなければ帰れないというのです。

 オムレツ島に連れて来られた様々な人々が、思い思いのオムレツを作ります。
 ほうれん草入りのオムレツ、トマトのオムレツ、じゃがいものオムレツ……いちごのオムレツなんてのもあります。
 こまったさんだけがいつまでもオムレツを作れません。
 はたして、こまったさんは、おうちへ帰れるのでしょうか?

 ……と、いうのがあらすじ。

 小さなお子さまが料理を覚えるとき、最初がサラダ、次は卵料理ではないでしょうか。

 まずはスクランブルエッグ、次はオムレツです。もちろん、いちばん簡単なのはゆで卵ですが。
 (アーサー・ランサムの小説で、ヒロインのスーザンが「いちばん得意なのはスクランブルエッグ」と言うと「ゆで卵じゃないの?」と聞かれ、「ゆでるのなんて問題じゃないわ」と言うシーンがあります)

 オムレツを上手に作れるようになるには、何度も練習しなければなりませんが、きれいに作れるようになると「料理が上手になった」と子どもでも思える達成感があります。簡単そうで難しく、奥が深いのがオムレツです。

 いつものようにお料理シーンでは、オムレツの作り方を歌います。「こまったさん」の世界では、レシピは歌うもの。このシリーズは、ミュージカルなのです。

 おはなしのなかの「オムレツのつくりかたの歌」だけでなく、巻末の解説で寺村先生がオムレツの作り方を詳しく書いてくださっています。これもうれしい。

 表紙裏には、様々な変わりオムレツのバリエーションがいっぱい。あれもこれもおいしそう。

 親子でつくるお料理は、なによりの思い出になります。卵液が飛び散って、エプロンを汚しまくっても、自分で作ったお料理を自分で食べるのは楽しいもの。

 こまったさんを読んで、親子でおいしいオムレツをつくってみませんか?

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。
 カラフルで楽しい、クッキングファンタジーです。かなり不条理で、お話の展開に論理性やつじつまがなく、次から次へと不思議なことが起こります。
 レシピを歌ったり、踊ったり、ちょっとミュージカルみたいな童話です。

 読み終わったら、きっとオムレツを作りたくなります。

 

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