【魔女のマジョランさん】新装開店! 魔女のクッキーやさん。世界一まずいクッキーとは?【世界一まずいクッキーのひみつ】【小学校低学年以上】

2024年4月14日

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魔女のマジョランさん 世界一まずいクッキーのひみつ  石井睦美/作 井田千秋/絵 ポプラ社

仲良しのアミちゃんとの約束をないがしろにされてミサトはもやもやしていました。そんなとき、街で評判のクッキーやさんを見つけます。「世界一まずいクッキー」って? それがミサトの冒険のはじまり。(魔女のマジョランさん 世界一まずいクッキーのひみつ  石井睦美/作 井田千秋/絵 ポプラ社)

こま本のイメージ 日常ファンタジー☆☆☆☆☆ 魔女☆☆☆☆☆ バディ結成☆☆☆☆☆

魔女のマジョランさん 世界一まずいクッキーのひみつ  石井睦美/作 井田千秋/絵 ポプラ社

<石井睦美>
神奈川県生まれ。「五月のはじめ、日曜日の朝」(岩崎書店)で毎日新聞小さな童話大賞と新美南吉児童文学賞。駒井れん名義「パスカルの恋」(朝日新聞社)で朝日新人文学賞、絵本の翻訳「ジャックのあたらしいヨット」(BL出版)で産経児童出版文化賞大賞、「皿と紙ひこうき」(講談社)で日本児童文学者協会賞。
作品に「わたしはすみれ」シリーズ(偕成社)、「しずかな しずかな クリスマス・イヴのひみつ」(BL出版)、「ビックバンのてんじくネズミ」(文溪堂)、「兄妹パズル」(ポプラ社)、「愛しいひとにさよならを言う」(角川春樹事務所)など多数。

<井田千秋>
イラストレーター。書籍の挿絵、装画などで活躍中。
「今日は心のおそうじ日和」(メディアワークス)、 「ぼくのまつり縫い」シリーズ(偕成社)の絵を手がける。
著書に「わたしの塗り絵BOOK 憧れのお店屋さん」 「わたしの塗り絵 POST CARD BOOK 森の少女の物語」(ともに日本ヴォーグ社)などがある。

 わたしは魔女ものファンタジーが大好きです。
 そして、おいしいものが大好きです。

 魔女+クッキー? これは面白そう。それに、「世界一まずいクッキー」って、興味をそそられます。
 まずい、ってクッキーなどのお菓子を売るときの宣伝文句にはなかなかなりません。こういうのは青汁とか、漢方薬とか、身体によさそうなものにつけられる形容詞。

 どうして世界一まずいのでしょうか。それが魔女マジョランさんの魔法です。

 「魔女のマジョランさん 世界一まずいクッキーのひみつ」は2021年初版。
 こちらのブログでは「ちいさな魔女とくろい森」「しろうさぎとりんごの木」でご紹介した石井睦美先生のお話です。挿絵は「へんくつさんのお茶会」の井田千秋先生。おお、楽しみです。

 さて、どんなお話なんでしょうか。
 ストーリーは……

 ミサトの住んでいる町の商店街「アカシア通り」に不思議な店ができました。
 その名も「世界一まずいクッキーの店 マジョラン」。
 みんなはその店のお話でもちきりです。

 土曜日に一緒に遊ぶ約束を仲良しのアミちゃんにドタキャンされてモヤモヤしていたミサトは、ふらふらと「マジョラン」の前を通りかかりました。

 白い服の不思議な年配の女性、マジョランさんに声をかけられたミサト。
 誘われるままにお店に入り、クッキーを試食したら、それはそれはまずいクッキーで……

 みんなが食べるとおいしいクッキーをミサトがまずいと感じたのには理由があったようで、ミサトはマジョランさんに店の奥まで案内されます。

 そこにはルカという女の子がいて……

 ……と、いうのがあらすじ。

 仲良しのアミちゃんに大切な約束をぞんざいに扱われたミサトは、心にもやもやを抱えていました。
 そんなミサトがマジョランさんに誘われて連れて行かれた、店の奥の世界。

 不思議で、美しくて、懐かしくて……

 そして、そこでミサトはルカと出会うのでした。
 このお話は、ミサトとルカの出会いのお話でもあります。

 このマジョランさんの孫ルカちゃんと言うのが、かわいくて気が強くて、でも誰かを助けたいとか困っている人を放っておけないとか、そういう気持ちのある素敵な子。強くてきりりとしたマジョランさんの血をしっかり受け継いでいます。

 また、井田先生の描く生意気そうで愛らしいビジュアルが最高で、髪型や表情などわたしの大好きな「新機動戦記ガンダムW」のリリーナさまを彷彿とさせるのです。これは推せる!

 なにしろ、リリーナさまは「ガンダムW」におけるわたしの最推しですからね!(鼻息)
「あんなにイケメンが大量にいるアニメなのに、どうしてそこで女に行くかなー」と友に呆れられたのが思い出されます。なつかしい。いやいや、どう考えてもリリーナさまが一番かっこよくないですか? まあ、それはそれとして!

 わりとボリュームがある物語なのですが横書きの文章ですべての見開きにフルカラーで挿絵が入っていると言う、かなり豪華な装丁です。
 イメージとしては、絵本と小説の中間くらい。絵物語風とでもいいましょうか。

 文章は平易で読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビですので、五十音が読めるお子さまなら、コツコツひとりで読みきることができます。もちろん、読み聞かせも楽しそうです。

 井田先生の少女マンガ風の挿絵がとにかく可愛らしくカラフルで、そしてクッキーも美味しそう。動きのあるアングルの絵が多いので、アニメーションを見ている気分にもなります。

 もしもご近所に魔女が住んでいたら、魔女の作ったお菓子を食べることができたら、そして魔女の親友がいたらどんなにわくわくと心が躍るでしょうか。「魔女のマジョランさん 世界一まずいクッキーのひみつ」はそんな小さな女の子の夢がいっぱい詰まったファンタジーです。

 このお話ではミサトとルカは出会ったばかり。
 きっとふたりでいろんな事件を解決するのかと思うと今から楽しみです。

 美味しいものに目がなくて、魔法や魔女が大好きなお子さまに。ハロウィンシーズンの読み聞かせに、おばあちゃんから孫娘へのプレゼントに。

 ゆめかわな魔女ファンタジーストーリーをぜひどうぞ!

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。小学生の女の子の繊細な心を描いた日常魔女ファンタジーです。マジョランさんはピリリと辛口なところもありますが、深い発言もあって大人もはっとさせられます。

 読後はお気に入りのクッキーとミルクティーでティータイムを。

 

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