【シャドウゴースト】不気味で危険な夜の怪物!少年と少女のファンタジック・ホラー冒険譚第3巻。【イアリーの魔物】【小学校高学年以上】

2024年4月14日

広告

シャドウゴースト イアリーの魔物 3 トーマス・テイラー/作 代田亜香子/訳 長砂ヒロ(ゴキンジョ)/装画・挿絵  小学館

夏は避暑地で賑わい、冬は霧に包まれる街、イアリー。そんなイアリーに奇妙なマジック・ショーがやってくる。マジシャンのカリアストラは「魔海ホテル」の忘れ物係ハービーの叔母だというのだ。ハービーの出生の秘密とは?カリアストラはんとうに叔母なのか?(シャドウゴースト イアリーの魔物 3  トーマス・テイラー/作 代田亜香子/訳 長砂ヒロ(ゴキンジョ)/装画・挿絵  小学館)

シャドウゴースト イアリーの魔物 3  トーマス・テイラー/作 代田亜香子/訳 長砂ヒロ(ゴキンジョ)/装画・挿絵  小学館

<トーマス・テイラー>
イギリス在住のイラストレーター兼児童文学作家。「ハリー・ポッター」シリーズのイギリスでの挿絵を描いたことで知られる。本作は作家としてのデビュー作。 

<代田亜香子>
翻訳家。訳書に「スチュアート・リトル」「屋根にのぼって」「マインド・スパイラル1 スクランブル・マインド」「マインド・スパイラル2 ミッシング・マインド」(共訳)「家なき鳥」などがある。

<長砂ヒロ>
アニメ美術背景マンとしてキャリアをスタートしたのち渡米。元ピクサーアートディレクター、現トンコハウスの堤大介、ロバートコンドー監督作品「ダムキーパー」(アカデミー賞ノミネート)にリードペインターとして参加。現在はフリーランスとして自身のプロジェクトの立ち上げ、アーティストの育成、プロデュースなど精力的に活動中。

本日ご紹介するのは、トーマス・テイラー作「シャドウゴースト イアリーの魔物 3」。原題はShadowghast (The Legends of Eerie-on-Sea).イギリスでの初版は2021年。日本語版初版は2022年です。

 この「イアリーの魔物」シリーズは、お話としては一話完結でどの巻から読んでもわかるようになっていますが、大きな流れはあるので、第1巻「マラマンダー」から順番に読んだほうがわかりやすいでしょう。

 「マラマンダー」のレビューはこちら

 今回のお話は……

 夏は明るく楽しい避暑地として賑わい、冬は不気味な霧に包まれる海辺の町、イアリー。
 そんなイアリーにある日、不思議なマジックショー・ファミリーがやってきます。

 彼らはハロウィンの時期にイアリーで開催される「ブキミノヨル」にシャドウゴーストのマジック・ショーをするためにやってきたのでした。

 ミステリアスな美女マジシャン、カリアストラはイアリーの「魔海ホテル」の「忘れ物係」ハービーことハーバート・レモンに自分は実はハービーの叔母だと告げ、驚かせます。そして、自分がハービーを引き取りたいとも。

 家族が欲しかったハービーはその言葉に心が揺れます。

 一方そのころ、イアリー名物「書方箋局」の店主・ジェニーが行方不明になってしまいます。そして、死んだはずのオカルト作家セバスチャン・イールズの家に光と人影が。

 なんらかの陰謀がこの街で起きていると感じたハービーとバイオレットは、ふたりだけで調査を始めますが……

 ……と、いうのがあらすじ。

 主人公たちは魔法などは使いませんが、不思議な生き物や怪物たちが登場する、ゴシックホラーファンタジーです。
 面白いけれど、ちょっぴり怖い。

 繊細で思いやりが深く真面目なハービーと、勇気があって無鉄砲で跳ねっかえりのバイオレットは最強のバディ。ふたりとも出生の謎を解きたいという気持ちを持ちつつ、イアリーで冒険を続けています。

 今回は、ハービーの出生の秘密に近づきつつ、イアリーの街そのものの謎にも迫ります。

 物語は長めでそこそこボリュームがありますが、細かい章に別れているので読みやすい。少しずつ読んでいけば息切れはしません。

 総ルビではありませんが、難しい漢字には振り仮名がふってありますので、だいたい小学校高学年から。
 ボリューム的には本を読み慣れているお子さま向きです。しかし、文章がハービーの一人称なので読みやすいと思います。もちろん、大人が読んでも楽しめます。

 「ルイスと不思議の時計」シリーズとテイストが似ています。あのシリーズがお好きならこのシリーズもハマるはず。「ステラ・モンゴメリー」シリーズがお好きな方にもおすすめ。ちょっぴり怖いけど、わくわくするゴシックホラーです。(「すごく怖い」とか「残酷」とかではありません)

 今回のお話でハービーやイアリーの謎に少し触れる展開がありましたので、続きがますます楽しみになってきました。続きは翻訳されるのでしょうか? 本国ではすでに第4巻「フェスタグリム」が出版されているようです。

 「シャドウゴースト」は、冬に暖かい部屋で、ぬくぬくとした部屋着にくるまってミルクたっぷりのココアなど温かい飲み物を飲みながら読むのにぴったりのファンタジーです。
 寒い季節のとっておきのおうち時間にぜひどうぞ!一気読みもおすすめです。 

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ちょっぴり怖い、ゴシック・ホラー・ファンタジーです。しかし、残酷なシーンや流血シーンなどはありません。わくわくする冒険物語です。

  読後は、フィッシュ・アンド・チップスが食べたくなるかも。または、濃い紅茶やホットチョコレートもおすすめです。デザートはトライフルで!

 

商品ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告