【そんなわけで名探偵】名探偵と一緒に事件を解決しよう!愛されるロングセラーミルキー杉山シリーズ第5巻。【小学校低学年以上】
俺はミルキー杉山。職業は探偵だ。密室盗難事件や宝石強盗、そして因縁の怪盗との対決。さて、今回はどんなふうに解決するかな…… (そんなわけで名探偵 杉山亮/作 中川大輔/絵 偕成社)
この本のイメージ 推理☆☆☆☆☆ 名探偵☆☆☆☆☆ 怪盗☆☆☆☆☆
そんなわけで名探偵 杉山亮/作 中川大輔/絵 偕成社
<杉山亮>
杉山亮(すぎやまあきら)。
1954年東京に生まれる。1976年より保父として、各地の保育園などに勤務。手づくりおもちゃ屋<なぞなぞ工房>を主宰。著書に「たからものくらべ」「子どものことは子どもにきく」「子どもにもらったゆかいな時間」「もしかしたら名探偵」など。
<中川大輔>
1970年神奈川県に生まれる。児童文学美術家連盟会員。おもなさし絵の仕事に、「BOOK術・子どもの本がいちばん」「魔女のよせなべ」「はらぺこ伊助と大どろぼう」「もしかしたら名探偵」など。
本日ご紹介するのはミルキー杉山シリーズの第5巻。初版は1998年です。
1998年と言えば、日本のインターネット元年が1995年ですから、まだまだ世の中はパソコンもインターネットも普及していなかった時代。
スマートフォンはこの世にはなく、携帯電話が主流でそれすら持っていない人もいる時代でした。
でも、読んでみるとそんなことは気にならない面白さ。それぞれの事件はなぞなぞを解くようなわくわく感があります。
今回は「だんろのつりばり」「どろぼうおばけ」「怪盗ムッシュふたたびあらわる」の三本です。
季節的には夏のお話なので夏に読むのがおすすめの巻ですが、推理的には季節関係なく楽しめるものです。今回はちょっぴり難しかった。
「怪盗ムッシュふたたびあらわる」は、以前に登場した怪盗ムッシュのリベンジマッチ。ここでもミルキーのわけあり奥さんたつ子さんが大活躍です。
お話は「事件編」と「解答編」に分かれており、「事件編」は物語だけではなく挿絵の中に大切なヒントがいくつも隠されています。物語をよく読んで、絵をよく見て、じっくり考えるのがポイント。
推理小説は、お話を楽しみ、謎解きを楽しみ、書かれていない部分を想像したり論理的に考えたりと脳のいろんな部分を使うので、小さなお子さまの発育に大きく貢献します。
幼いころに脳を柔軟に使う癖をつけることで、大人になってもひとつの物事を多角的にとらえ、自分の頭で考え自分で決断できるようになるのです。
ミルキー杉山シリーズはそれぞれのお話の謎解きの楽しさだけでなく、シリーズを通じた大きな物語の流れもあります。
あえてあきらかにしないちょっとした謎もありで、一度では楽しみつくせないように作られているのも魅力。
今回も鮮やかな推理を見せてくれたたつ子さんですが、彼女の観察力、洞察力、推理力はどうやって培われたのか、どうしてミルキーと別れて暮らしているのか、などなどかねてより謎が多い存在です。
「おくさんのほうがよっぽど探偵にむいてるぞ」なんて言われて苦笑いするミルキー。
でも、たつ子さんの謎はそのまま。いつか明かされる時がくるのでしょうか。
(だいたい、なぜ日本人なのに「ミルキー」って名前なのかもまだ謎のまま……)
謎多きシリーズです。
ほとんどがひらがなで書かれており、とても読みやすいので小学校低学年から。かしこい子なら幼稚園から大丈夫だと思います。読み聞かせにもおすすめ。
ミルキー杉山の一人称なので、どうぞお父さんが読んであげて下さいね。
とぼけててゆかいな名探偵、ミルキー杉山シリーズ。ストーリーやキャラクターが魅力的で知育要素も高く、男の子でも女の子でも楽しめます。
物語を楽しみながらパズルや推理を楽しめる、一粒で二度も三度も美味しい(だからたとえが古いって)シリーズです。
ミステリー好きの保護者の方は、お子さまのはじめての推理小説としていかがでしょう。何年か後には推理小説を貸しあう親子関係になれるかも?!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。探偵の物語ですが殺人や暴力のシーンはないし、終始明るく楽しい物語です。
今回はミルキーの娘、ともこちゃんも大活躍します。
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