【モンスター・ホテル】春はピクニック!モンスターたちの不思議ホテルの日常ファンタジー【モンスター・ホテルでピクニック】【小学校低学年以上】
やしゃひめさんと飼い犬のやみまるは人間のカケルさんと飼い犬のジュリエットからドッグランでのピクニックに誘われました。けれど、やしゃひめさんには悩みがあって……(モンスター・ホテルでピクニック 柏葉幸子/作 高畠純/絵 小峰書店)
この本のイメージ おばけがかわいい☆☆☆☆☆ ほのぼの☆☆☆☆☆ 怖くないオカルト☆☆☆☆☆
モンスター・ホテルでピクニック 柏葉幸子/作 高畠純/絵 小峰書店
<柏葉幸子>
1953年、岩手県生まれ。東北薬科大学卒業。『霧のむこうのふしぎな町』(講談社)で第15回講談社児童文学新人賞、第9回日本児童文学者協会新人賞を受賞。『ミラクル・ファミリー』(講談社)で第45回産経児童出版文化賞を受賞。『牡丹さんの不思議な毎日』(あかね書房)で第54回産経児童出版文化賞を受賞。『つづきの図書館』(講談社)で第59回小学館児童出版文化賞を受賞。近著に『竜が呼んだ娘』(朝日学生新聞社)、『モンスター・ホテルでひみつのへや』(小峰書店)など。
<高畠純>
1948年愛知県名古屋市生まれ。愛知教育大学美術科卒業。「だれのじてんしゃ」(フレーベル館刊)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。 他に「ペンギンたんけんたい」「オレ・ダレ」「オー・スッパ」(以上講談社刊)、「だじゃれすいぞくかん」「おとうさんのえほん」(絵本館刊)などの作品がある。
柏葉幸子先生の「モンスター・ホテル」シリーズ、「モンスター・ホテルでピクニック」はシリーズ15巻にあたります。初版は2016年です。
このシリーズは、一話完結で、どの本から読んでも楽しめるのですが、一応順番があり、最初から読みたい方は、「モンスター・ホテルでおめでとう」からお読みください。
「モンスター・ホテルでおめでとう」のレビューはこちら↓
お話は……
怒るとこわい、やしゃひめさん。そのやしゃひめさんが悩んでいます。
人間のカケルさんとその飼い犬ジュリエットに、ドッグランでのピクニックに誘われているのです。
やしゃひめさんの飼い犬のやみまるとジュリエットとのデートのお誘いなのでした。
ところが、やしゃひめさんにはひとつ、困ったことがありました。
バッタリバタフライという、ちょうちょに出会うと特定の動物に変身してしまう病気にかかってしまったのです。やしゃひめさんが変身してしまう動物はイボイノシシです。
ピクニックでちょうちょが飛んで来たらどうしよう……
悩むやしゃひめさんのために、モンスターたちは一致団結して協力することにします。
そして、当日……
……と、いうのがあらすじ。
子供向けオカルトをご紹介するたびに書いていることですが、小さな子ども向けのオカルトファンタジーには意味があります。
小さな子どもにとって、世界は「未知のもの」でいっぱいです。暗闇が怖い、夜中にトイレに行くが怖い、夕暮れ時が怖い、大きな動物が怖い、などなどまだまだ世界は「こわいもの」でいっぱい。
そんなとき、かわいいおばけが登場する楽しくゆかいなオカルトは、子どもにとっての「こわい」を「楽しい」に変換してくれるのです。
「モンスター・ホテル」に登場するモンスターたちは、ドラキュラ、ろくろっ首、ばけ猫、透明人間、とオーソドックスなモンスターたちですが、皆心優しくて仲間想いの人たちばかり。怖いところなんてひとつもありません。
また、このモンスターたちのいいところって、誰かが困ったことに遭遇すると、仲間たち全員でことにあたり、助けようとするんですよね。ふだんはばらばらなのに、いざというときのこの団結力よ。
字はかなり大きくて、ほぼひらがなとカタカナで書かれています。五十音が読めればひとりでコツコツ読み切ることができるでしょう。物語としてのよみごたえはあります。
もちろん、読み聞かせにも。
楽しくて愉快なオカルトファンタジーです。男の子にも女の子にも。
読んだ後、あたたかい気持ちの残る良質の児童小説です。
ピクニックにぴったりのこの季節、「モンスター・ホテルでピクニック」をぜひどうぞ!
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ネガティブな要素はまったくありません。
いろんなモンスターたちが総出演の、ゆかいで楽しい、オカルトファンタジーです。
お子さまの性別関係なくお楽しみいただけます。
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