【パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々】ついにクロノス復活。神の子たちとタイタンの戦い第4巻【迷宮の戦い】【小学校高学年以上】

2024年3月16日

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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 4 迷宮の戦い  リック・リオーダン/作 金原瑞人・小林みき/訳 ほるぷ出版

世界を救うか、滅ぼすか、予言の16歳まであと1年のパーシー。そんなとき、ハデスの息子ニコが、地下で亡霊のささやきに誘われ、なにごとかを起こそうとしていることを知る。アナベスは、訓練所を危機から守るため、パーシーたちと地下の迷宮へ旅立つことになるが……

この本のイメージ 迷宮☆☆☆☆☆ 人間の仲間☆☆☆☆☆ ラスボス復活☆☆☆☆☆

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 4 迷宮の戦い  リック・リオーダン/作 金原瑞人・小林みき/訳 ほるぷ出版

<リック・リオーダン>
リチャード・ラッセル・ライアダン・ジュニア(Richard Russell Riordan, Jr.、1964年6月5日 ~ )はアメリカ合衆国の推理作家、児童文学作家、ファンタジー作家。通称リック・ライアダン(Rick Riordan)。日本ではリック・リオーダンあるいはリック・ライオダンとも呼ばれている。代表作は「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」。

 ギリシャ神話の神々が現代によみがえる、アメリカからやってきたヤングアダルト小説「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズ、第4巻。「迷宮の戦い」です。原題はThe Battle of the Labyrinth.初版は2008年。日本でも初版は2008年です。すごいスピードで翻訳したんですね。

 ものすごく分厚いハードカバーがほるぷ出版から出版されていますが、文庫版がそれぞれ上下巻にわけて静山社ペガサス文庫から発売されています。どちらもリンクを貼っておきます。

たいへんボリュームのある物語ですが、ほるぷ出版版のほうは字が大きくて読みやすく、小学校高学年から大丈夫だと思います。ただし、カタカナの固有名詞が多いので、メモをしながら読んだほうが読みやすいでしょう。

  このシリーズは、翻訳の力でかなり薄められていますが、RPGゲーム的要素が強く、「神託」「予言」「探求」そして、探求へ向かうときの「リーダー選び」「チーム」など、よく読むとゲーム世代の子どもたちのために書かれた作品だとわかります。

 パーシーはじめ、それぞれのキャラクターはハーフと言う(原作ではDEMIGOD. 半神)神と人間のあいだに生まれた英雄たちですが、彼らは専用の訓練所で暮らしています。

 何か事件が起きると、リーダーを選出して、その人がチームメンバーを選び(パーティー結成)、神託をもらい、そのメッセージをもとに、「探求(クエスト)」の旅に出るのです。作者のリック・リオーダンが息子のために書いた小説だというのは納得。もしかしたら、ゲーム化することも想定して書いたのかもしれません。

 今回の冒険は、ダイダロスの迷宮。コンピュータゲームRPGの中でも、難所として登場するダンジョンです。

 ストーリーは……

 新しい学校に転校早々、モンスターたちに襲われるパーシー。結局は訓練所に逆戻り。ところが、訓練所には危機が迫っていたのです。ダイダロスの迷宮を利用して、ルークが訓練所を襲う計画を知ります。

 ダイダロスの迷宮は自己再生と自己増殖を繰り返す、難攻不落のダンジョンです。しかし、アリアドネの糸玉があれば攻略できる。ルークはそれを狙っているのです。

 今回のリーダーはアナベス。神託をうけたアナベスは、パーシー、グローバー、タイソンをメンバーに迷宮探索の旅へ。ルークより先に、ダイダロスを見つけて迷宮の秘密を知らなければなりません。

 迷宮の冒険の途中で、パーシーたちはニコに出会います。はたしてニコとのわだかまりはとけるのか。ニコはビアンカを復活させてしまうのか。

 そして、ルークの侵攻は止められるのか……

 と、いうのがあらすじ。

 今回のお話で、パーシーはポセイドンの息子としての特殊能力を使いこなせるようになります。水にかかわる力の発現です。
 また、前回登場したレイチェルが再び登場。

 やっぱり、重要キャラクターだったようです。レイチェルは、ミスト(神々やモンスターたちが使う幻惑の霧)に惑わされない目を持つ人間の女の子。彼女のお父さんは、人間界では重要人物のようです。

 パーシーのお母さんもミストに惑わされない能力があったけど、年々弱まってきてるとのこと。これは若い時期だけの能力なのでしょうか。

 今回の迷宮の物語は、いままでで一番面白かった。
 たぶん、敵の正体がわかり、仲間が続々と集まってきたからかもしれません。グローバーの探求の旅は今回で終わり、次回の第5巻でついに、タイタンたちとの総力戦になることが伺えます。

 この物語では、古代にギリシャ周辺にあった神々の地は、次元の移動でアメリカ周辺に移動していることになっているので、ダイダロスの迷宮もアメリカ合衆国の地下(たぶん別次元)に移動しており、巻末には、パーシー一行の移動ルートが書かれています。

 こういうのがあると、ファンは「聖地巡礼」しやすいですね。本当に至れり尽くせりの物語です。

 ファンタジー界では「誰かのために書かれた物語は名作」の法則があり、やはり、息子さんのために書かれた物語だけあって、隅々まで気合が入りまくり。日本人には、カタカナの固有名詞が多いのでわかりにくいかもしれませんが、読書ノートやメモを作り、キャラクター相関図などを書きながら読むと読みやすいです。 

 ADHDの息子さんのために書かれたと言われているこの小説、最後は古き神に、神々、半神たち、妖精たち、そして人間が協力して戦いを挑むお話になりそうな予感です。まさに多様性の時代のファンタジー。

 このシリーズも、次巻「最後の神々」でついに完結。
 長い物語ですが、完結が楽しみです。ちなみに、同じ世界観で続編や番外編もあるようです。それも楽しみ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 戦闘シーンや暴力シーンはあります。ただし、気をつけて書かれているので、そんなに残虐ではありません。「そう言うシーンがあるのだな」と身構えていれば大丈夫な方なら、面白いのでおすすめです。

 コンピューターゲーム、とくにRPGゲームの要素が強いので、ゲーム世代の方は読みやすいでしょう。

 読後は、ハンバーガーやコーラなど、アメリカ! な食事がしたくなるかもしれません。

 

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