【まほうの絵本屋さん】森のなかでみつけたものは？ふしぎな魔法の本屋さん【4歳 5歳 6歳】
仲良しの友達は遠い外国に行ってしまった。すみれちゃんが公園に遊びに行くと、ふくろうが森の奥に誘います。そこには、不思議な絵本屋さんがありました。くろねこ店長おすすめの絵本は、すみれちゃんを本の世界に連れていってくれて……
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ 友情☆☆☆☆☆ 本の魅力☆☆☆☆☆
まほうの絵本屋さん 小手鞠るい/作 高橋克也/絵 出版ワークス
＜小手鞠るい＞
1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。「ルウとリンデン旅とおるすばん」でボローニャ国際児童図書賞を受賞。
＜高橋克也＞
京都府生まれ。京都精華大学美術学部卒業。フリーのイラストレーター。
かわいい絵本を見つけました。初版は2017年。
このブログでは、読書の楽しさを一人でも多くの人に知っていただきたいので、子どもから大人まで楽しめる絵本と児童書をご紹介しています。
最近は、「本が好きな子の物語」や、「本屋さんのお話」や、「図書館のお話」などが増えてきています。昔は、「本の中に入る」とか「不思議な本屋さん」とかだと「はてしない物語」くらいしかなかったのですが、最近は本好きの出てくる面白いお話が多くて、幸せです。
一昔前は、本ばかり読んでいる子どもってあまりいいイメージがなかったですからね。単にアニメやゲーム、スマートフォン、SNSと、より新しい文化がどんどん生まれてきたので「本のほうがまし」な立場に押し上げられたのかもしれませんが……
小さい頃本を読んでおくと、読解力がつくのてあとあと有利なことがたくさんあります。成績の振るわなかった子が、夏休みなどの長期休暇で大量読書した結果、成績がトップクラスになったという事例は多く、本を読むことは成績の底上げをします。
それに、小学校時代の学習ならば、もし何らかの事情で学校に行けなくなったとしても、家で大量読書をして、足し算引き算掛け算割り算と九九を理解していれば、なんとかなるのです。そういう意味で、読書はとても大切で、そして強力な武器。
その場合、読む本はライトノベルでもSFでもファンタジーでもなんでよく、とくに純文学でないといけない、という事もないようです。量が大切なのです。
しかし、本を読む習慣がない子に読書が楽しいものだと教えるのは一苦労。その場合、「読書の楽しさ」をまず感じてもらい、そこから読書の世界へといざなうのがよさそうです。
この「まほうの絵本屋さん」もそんな絵本のひとつ。
仲良しの友達が遠い外国にひっこしてしまい、さみしい気持ちで公園に遊びに来たすみれちゃん。きれいな葉っぱと木の実を拾います。
公園の奥には森があって、ふくろうのみちびきで奥へと歩いてゆくと小さな不思議な絵本屋さんがありました。絵本屋さんですみれちゃんは、お友達にプレゼントする絵本を選ぼうとします。
くろねこの店長さんが絵本を選んでくれて、すみれちゃんがその絵本をみると本の中に入り込んでしまいました。
そこには、なつかしい友達もいて、手をつないで森の中を駆け巡ります。
すみれちゃんは、拾った木の実と葉っぱをお代として支払って、絵本を買って帰ります……
というのがあらすじ。
このあと、ちょっとしたラストがあるのですが、それによって、様々な想像ができるようになっています。絵本屋さんは、すみれちゃんの空想のようでもあり、現実のようであり、想像の余地を残しています。
哀しいとき、さみしいとき、本が心を支えてくれ、人と人をつなげてくれることをあらわしている、優しい絵本でもあります。
また、絵がどれもカラフルで、力強いのにかわいらしい。色鉛筆を使ったふんわりと温かみのある絵柄なのに、色にパンチがあるんですよ。パステルカラーなどの淡い色合いではないのです。
原色が多くてちょっとイタリアっぽい感じ(ただの個人的なイメージ)
とても元気が出る絵だと思います。
大人が読んでも、和みを与えてくれる絵本です。絵に力があり、物語に広がりを与えているので、絵を眺めているだけでも、のびやかな、強い気持ちになります。
また、表紙の絵もおしゃれで、イラストとしてもすばらしいので、読後はリビングに飾っても。
秋の読み聞かせにぴったり。子どもから大人までおすすめの絵本です。電子書籍もあります。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
おすすめです。ネガティブな要素はありません。秋の週末、お風呂上りなどのリラックスタイムにおすすめの絵本です。
雨の日の午後にあたたかい飲み物を飲みながら読むのもよさそうです。ミルクたっぷりのカフェオレか、ロイヤルミルクティーというイメージの絵本です。シナモンたっぷりでね。
https://www.mmanorhouse.com/2020/01/10/post-1186/
