【クリスマスのまえのばん】クリスマスに何がおきる?奇跡の夜のファンタジーをターシャ・テューダーの絵で【4歳 5歳 6歳】

広告

クリスマスのまえのばん クレメント・ムア/詩 中村妙子/訳 ターシャ・テューダー/絵  偕成社

クリスマスのまえの晩、みんなが寝静まった後に、トナカイたちに引かれ、小柄なおじいさんが乗ったそりが夜空を飛んでやってきました。みんなにプレゼントをくばるために……

この本のイメージ クリスマス☆☆☆☆☆ サンタクロース☆☆☆☆☆ ターシャ・テューダー☆☆☆☆☆

クリスマスのまえのばん クレメント・ムア/詩 中村妙子/訳 ターシャ・テューダー/絵  偕成社

<クレメント・ムア>
クレメント・クラーク・ムーア(1779年7月15日~1863年7月10日)は、アメリカの作家と東洋とギリシャ文学の教授。1823年に匿名で最初に出版されたクリスマス詩「聖ニコラスからの訪問」の著者として最も広く知られる。後に「クリスマス前の夜」として広く知られるようになり、数多くの出版物になった。

<中村妙子>
中村 妙子(なかむら たえこ、1923年2月21日~)は、東京出身の日本の翻訳家。

<ターシャ・テューダー>
ターシャ・テューダー(Tasha Tudor、1915年8月28日~2008年6月18日)はアメリカの絵本画家・挿絵画家・園芸家(ガーデナー)・人形作家。彼女の絵は「アメリカ人の心を表現する」絵と言われ愛されている。50歳代半ばよりバーモント州の小さな町のはずれで1800年代の農村の生活そのままの自給自足の一人暮らしを始める。彼女の住む広大な庭でのライフスタイルはいまなお多くの人々のあこがれである。

クリスマスのまえのばん クレメント・ムア/詩 中村妙子/訳 ターシャ・テューダー/絵  偕成社

 この絵本の原題は、"The Night Before Christmas".アメリカでの初版は1999年。日本版の初版は2000年です。

 このブログでは、絵本作家でありガーデナーでもあるターシャ・テューダーについての記事を定期的に取り上げています。ターシャの絵本も何冊かご紹介しており、その時にはまだ市場にあったのですが、今確認してみると、かなり売り切れていて、入手困難になっています。

 この「クリスマスのまえのばん」は、そんなターシャ・テューダーの絵本のなかでも現在入手可能なもので、ターシャの絵の魅力がたっぷり詰まっているので、子どもから大人まで、おすすめいたします。

ストーリーは…

クリスマスの前の晩、お父さんが夜中に目を覚まします。
すると、夜空を、小柄なおじいさんが、トナカイたちに引かれたそりにのって飛んでくるのを見つけます。彼は、煙突から家に入り、子どもたちのためにプレゼントをならべ、こっそり見ていたお父さんに笑いかけて、またそりに乗ってさってゆくのでした……

と言う、おはなし。

 ターシャ・テューダーは、アメリカのバーモント州に東京ドームくらいの広さの庭と19世紀風に立てられた自宅兼アトリエで暮らしながら絵本作家として活躍しました。亡くなる少し前まで仕事をしており、2008年に92歳でこの世を去っています。

 お客様を招く部屋以外には電気も使わないという徹底ぶりで、冬には雪が積もる地方で、クラシックな暮らしを貫いていたターシャ。

 彼女のライフスタイルは、多くの人に影響を与えました。

 かく言うわたしも、インスピレーションをもらった一人。もちろん、彼女のように文明すべてを否定することはできません。わたしはやわなので、電気もガスも使います。けれど、大勢の人と交わると疲れ果ててしまったり、進みすぎた文明についてゆこうとすれども疲弊することもある日常で、どう自分を確立してゆくべきかに、ヒントをくれたのがターシャだったのでした。

 わたしは、インターネットもハイテクも大好きです。便利な機械は使いますし、暑い日はエアコンを、寒いときは迷わずガスファンヒーターをつけるタイプです。だいたい、コンピューターゲーム関係の仕事をしていますしね。(サポートなので、相変わらず技術関係の知識は、地を這うレベルなのですが……)

 もちろん、「地球を守るために人類は原始人の暮らしをしろ!」と言う人ではありません。

 けれども、この30年、文明の進歩は速すぎます。とくにここ20年は急激です。こんなに大量の情報が行きかい、こんなに膨大な情報を人間の脳が処理しなければならなくなったのは、有史以来初めてだと思います。

 昔は、もっとのんびりしていたんですよ。電話もらったって、その日のうちか、最悪翌日に折り返せばよかったんです。ところが、最近はSNSで即レスしないと、「何かあったのではないか」と思われる時代です。

 メールやSNSのお付き合い、対面の家族や親戚づきあい、お仕事の付き合いと、人間関係も複雑です。ときどき、何もかも脇に置いて、家の中で一人でぐうぐう寝ていたいと思うこともありますよね。いや、そんなときは、そうしたほうがいいんですよ。脳みそパンクしちゃいます。

 生まれたときからインターネットやスマートフォンが存在する「デジタルネイティブ」世代とちがい、わたしたちは人生の途中からハイテクが現れた「デジタル移民」。移民組は特に、ときどき疲れてしまうのです。便利なものは好きなんですけども。

 そんなわけで、たまにアナログなものが恋しくなるのも確か。BBAにはアナログとハイテクの両方をバランスよく生活に取り入れたい、と言うわがままな欲望があります。

 ターシャ・テューダーは、そんなわたしの悩みに、一つの解答をくれた人です。
 ターシャは、大自然の中に19世紀風の家を建て、19世紀さながらの生活をしていました。

 ところが、彼女はとくに過激なナチュラリストと言うわけでもなく、「自分の好きな暮らしを自分の好きなようにしていた」だけ。他人に自分のライフスタイルを押し付けもしないし、お客様用の部屋にはちゃんと電気を通しています。(こういうところが本当にすばらしい)

 また、食事は自家菜園で作った野菜などを使った質素なものですが、特別なときにはお肉を食べるし、お砂糖を使ったお菓子も作ります。ベジタリアンというわけでもないのです。
 修行僧的生活をしていたわけではなく、家族や親戚を招待してホームパーティをするのが大好き、手づくりのプレゼントをするのが大好きという、社交的な一面もあります。

 自給自足に近い暮らしをしていながらも、絵本作家と言う仕事はしっかり持っていて、広い屋敷に引きこもるわけでもなく外の世界ともちゃんと交流していました。

 人との交流は嫌いではないし、広く人と関るのは好きではあるけれども、その一方で、精神は内向的で、楽しいことのあとには疲れ果ててしまうわたしにとって、ターシャのライフスタイルは救いを与えてくれました。「こんなふうに生きてもいいんだ」と言う。

 わたしは、ターシャのようには根性が座っていないので、いきなり大自然の中に家を建てて暮らす度胸はないのですが、文明にまみれて暮らしながらも、ターシャのようにマイペースで暮らそうと心がけています。

 自分の時間、自分のペース、自分の気持ちを大切にして、短くても「ひとりの時間」を作るようにしたら、たまりにたまっていた心身の疲労が、すこしずつほぐれてくるのでした。

 生活に植物を取り入れたり、ちょっとだけヘルシーなものを食べたり、1週間に1日か2日だけ、野菜の日を作ったり……。無理のないペースで、ターシャ風に暮らすのです。
 なるべく人のいない時間に、水筒をもって公園に行き、読書をするのも、森にいる気分になります。

 この絵本は、クリスマスのわくわく、ほっこりした気持ちと、ターシャの温かみのある絵が楽しめる、素敵にお得な絵本です。中村妙子先生翻訳の詩が、すこし古風で、でもリズミカルでたのしく、読んでいると心が弾んできます。

 挿絵はターシャの本領発揮といった、随所に可愛らしいコーギーが登場します。またコーギーだけでなく、トナカイたち、猫やフクロウ、ニワトリなど、かわいい動物がいっぱい。

 楽器を奏でるコーギーたちと猫の絵は、思わず顔がほころんでしまいます。

 クリスマスプレゼントにしても、大人のなごみ本としてもおすすめの絵本です。ターシャの絵本は年々入手困難になっていますので、これは貴重です。

 この機会に、ぜひ、ターシャの魅力に触れてみてくださいね。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。ほのぼのとした、しあわせな気持ちになります。子どもから大人まで、クリスマスプレゼントにぴったり。読み終わった後には、インテリアとしてリビングに飾ってもおしゃれです。

 読後は熱々のココアが飲みたくなる、ハートが温まる絵本です。

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告