【ルルとララ】アイスクリームを作ろう。ひんやり甘い、善意の恩送り【ルルとララのアイスクリーム】【小学校低学年以上】

2024年3月29日

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ルルとララのアイスクリーム  あんびるやすこ/作  岩崎書店

暑い夏の日、重い荷物を運んでいたルルとララは、アライグマさんに荷物をもつのを手伝ってもらいます。御礼をしたいルルとララに、アライグマさんはとある手紙を見せて断るのでした。それは、自分のもらった恩を別の誰かに返すと言うもので……

この本のイメージ アイスクリームの作り方☆☆☆☆☆ ペイフォワード☆☆☆☆☆ 善意はめぐる☆☆☆☆☆

ルルとララのアイスクリーム  あんびるやすこ/作  岩崎書店

<あんびるやすこ> 群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」シリーズなど。 

 あんびるやすこ先生のクッキングファンタジー「ルルとララ」シリーズ。今回のテーマはアイスクリームです。初版は2007年。

 非常に私事になりますが、本日7月8日は、わたしがサポートスタッフをつとめる、とあるオンラインゲームのアニバーサリー記念日なのです。今日は、このブログを書いたら、その準備に入るのですが、とはいえ、こぢんまりした小さなゲームなので、そんなに大掛かりなことをするわけではありません。けれど、わたしにとっては、大切な日。

 そんな日にご紹介するのが、この「ルルとララのアイスクリーム」です。

 今回のお話は……

 夏の暑い日、たくさんの荷物を運んでいたルルとララを助けてくれたアライグマさん。お礼をしようと思ったルルとララでしたが、どうしてもお礼を受け取ってもらえません。かわりにとある手紙をらいます。

 そこには、「自分のうけた親切は、お礼に別のだれかに返してほしい」との「お礼リレー」の手紙をみせられます。

 アライグマさんも別の誰かからうけた恩をルルとララに返し、この「善意」が森中を回っていたのでした。

 なんて素敵なことでしょう。感動したルルとララでしたが、このお礼リレーを最初にはじめた手紙の主は、ルルとララの身近な人でした……

 ……と、いうのがあらすじ。

 これ、はじめて読んだとき、「これは7月8日に紹介しよう!」と心に決めていたのです。と、言うのも、この本のテーマが「恩送り」だから。恩送りと言うのは、自分のうけた恩を知らない誰かに返す、ペイフォワードの行為のこと。

 日本では、「情けは人のためならず」と言うことわざがあります。

 わたしが携わっているゲームのテーマも「善意の循環」なので、この本を読んだときは、「なんてタイミングなんだろう」と、じーんと心が熱くなってしまいました。

 インターネットは、悪意だけでなく、善意もまわる世界です。今なら、SNSの「いいね!」。どこかの誰か、見ず知らずの人に、ちょっぴりの善意を送るシステムが、わたしは大好きです。

 「いいね!」って、たぶん、「もらうのが好き」な人と「するのが好き」な人がいると思うのです。わたしは、するのが好きなほう。
 ネットでいいなあと思う文章や写真、絵を見ただけで幸せな気分になるし、そのお返しに「いいね!」を押すシステムがわたしは大好きです。
 だって、リアルの世界では「その服いいね」とか「その文章すてき」とか「これおいしいね」とか、なかなか言えないでしょ?でも、ネットだと気軽にハートマークを送れる。わたしは、インターネットで善意が回る様子を見るのが大好きなのです。

 もちろん、ネットには負の部分がたくさんあります。けれど、良い部分もたくさんあるんです。ネットが無かった頃には、見ず知らずの人に、ちょっとした善意を送る方法なんて、ほんとうに限られていたんですよ。人類の負の部分だけでなく、善の部分だって成長しているとわたしは信じています。

 暑くて暑くてしょうがない、「ゆきだるまにかじりつきたい」くらい暑い、そんな夏の日、ルルとララは大好きなシュガーおばさんのために、雪だるまのようなアイスクリームをつくります。

 それは、シュガーおばさんに、大切なことを教えてもらったお礼でもあるのです……。

 悪人の登場しないやさしい世界。だけど、大切なことを教えてくれる、あんびる先生の世界。字は程よく大きく、フォントはかわいらしく、すべての漢字に振り仮名がふってある総ルビです。小学校低学年のお子さまにぴったり。そして、レシピは徹底して火を使わず、過熱は電子レンジで行います。
 今回のルルとララのファッションは、ブルーとマゼンタのかわいいペアルック。

 おしゃれでかわいくて、おいしくて、そして、ほのぼのじーんとさせてくれる、最高のクッキングファンタジー。
 暑い暑い夏の日、ルルとララと一緒に、アイスクリームを作ってみませんか?

 大好きな誰かに、お礼の「雪だるま」をつくっちゃいましょう。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。HSPやHSCの方に、心からおすすめです。誰かから誰かへ恩を送る、ペイフォワードの精神がテーマになっていて、大切なことを教えてくれます。

 読書感想文の題材としてもおすすめ。
 アイスクリームの作り方も詳しく、様々なバリエーションがあり、レシピとしても役に立ちます。

 読後は、雪だるま型のアイスクリームで、ひとやすみを。

ペイフォワードがテーマの本なら・・・

 

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「どうぞのいす」もおすすめです。

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