【ちいさなねこ】60年愛されるロングセラー絵本! 「クマのプーさん」の石井桃子作、小さな猫の大冒険【3歳 5歳 6歳】
ちいさなねこ。おおきなへやに、ちいさなねこ。おや、ちいさなねこが にわにおりた。おかあさんねこが みていないまに、ひとりででかけて だいじょうぶかな。
この本のイメージ ちっちゃな大冒険☆☆☆☆☆ ねこかわいい☆☆☆☆☆ 母の愛☆☆☆☆☆
ちいさなねこ 石井桃子/作 横内襄/絵 福音館書店
<石井桃子>
石井 桃子(いしい ももこ、1907年3月10日 ~2008年4月2日)は、日本の児童文学作家・翻訳家。位階は従四位。「くまのプーさん」「ピーターラビットのおはなし」といった数々の欧米の児童文学の翻訳を手がける一方、絵本や児童文学作品の創作も行い、日本の児童文学普及に貢献した。日本芸術院会員。
<横内襄>
1934年東京生まれ。少年時代を中国大陸で過ごした。主として風景を描くが非常に動物好きで、種々の動物を観察し、その習性や表情を描くことにも興味を持っている。さし絵の仕事には「名犬ラッシー」(講談社)、「きたぐにのさる」(岩崎書店)などがある。
「クマのプーさん」「ピーター・ラビット」の翻訳で知られる石井桃子先生の絵本です。
初版は1963年。60年前の本です。
小さな子猫が、お母さん猫が目を話たすきに一匹で外へ出てしまい、小さな子どもに捕まりそうになったり、車に轢かれそうになったり、犬に追いかけられて木の上に登って降りられなくなったりして、大冒険をしているうちに、お母さん猫が助けにくると言うストーリー。
単純なお話なのですが、石井桃子先生の文章が必要最小限で読みやすく、また、横内襄先生の絵が子猫を非常にリアルに生き生きと描いているため、心にすんなり入ってくるのです。
子猫はひたすらかわいいし、母猫の子猫への愛情と子猫を守ろうとする強さに胸を打たれます。
もちろん、町並みや車の形、そして今は野良犬や野良猫はもう町にはいないことなど、現代とは少し違う文化のお話ではあるのですが、その古さを吹き飛ばしてしまう作品の力があります。
子猫の目から見ると小さな男の子も怪獣みたいにおそろしいし、犬もたいへんな脅威です。けれど、そこに駆けつけてくれる母猫の頼もしさ。
そう、これは「どんなときでも、ピンチになればきっとお母さんは駆けつけてくれる」と言う、安心感と母の愛に満ちた絵本なのです。
この絵本がツボにはまるお子さまは今でも多いらしく、おそらくは「母の愛」と言う本能的な部分に働きかけるものがあるのでしょうね。
文章はすべてひらがな。とてもテンポよく、読みやすく、読み聞かせならば三歳から。1人読みならば小学校低学年以上がおすすめです。
また、猫の絵本コレクターなら、のがせない一冊でもあります。子猫は表情豊かですし、母猫のどっしりとした貫禄あふれる表情も魅力的です。
母と子の絵本をお探しの方、猫好きの方、「クマのプーさん」「ピーター・ラビット」ファンの方におすすめの絵本です。母の愛あふれる、愛らしい猫の絵本をぜひどうぞ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はいっさいありません。
力強い母の愛に包まれる、愛らしい猫の絵本です。HSPやHSCのお子さまに、とくにおすすめ。
母子もの、猫ものの絵本をお探しの方に。
60年前の日本の町並みや車が登場するので、そのレトロ感も魅力です。
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