【ぐりとぐら】のねずみたちが出会った女の子。一緒にかぼちゃを食べよう。【絵本】【ぐりとぐらとすみれちゃん】【3歳 4歳 5歳 6歳】

2024年4月10日

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ぐりとぐらとすみれちゃん 中川李枝子/さく 山脇百合子/え  福音館書店

ぐりとぐらは畑で野菜を育てていました。「こんどは かぼちゃをつくろう」そんな話をしていると、すみれ原っぱからすみれちゃんが遊びに来てくれました。おみやげは、大きな大きなすみれかぼちゃです。

この本のイメージ かわいいお客さま☆☆☆☆☆ 元気なすみれちゃん☆☆☆☆☆ おいしいかぼちゃ☆☆☆☆☆

ぐりとぐらとすみれちゃん 中川李枝子/さく 山脇百合子/え  福音館書店 

<中川李枝子> 日本の児童文学作家、作詞家。夫は画家の中川宗弥。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した「いやいやえん」で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年「ぐりとぐら」刊行。「

<山脇百合子>
(やまわき ゆりこ、1941年〈昭和16年〉12月3日 ~2022年〈令和4年〉9月29日)は日本の絵本作家、挿絵画家。東京府出身。東京都立西高等学校、上智大学外国語学部フランス語科卒。高校三年の頃より童話の挿絵や絵本の仕事を多く手がける。
児童文学者の実姉・中川李枝子との共著も多く、「ぐりとぐら」(福音館書店)は海外にも翻訳されている。旧姓は大村。

 絵本界のロングセラー、国民的のねずみの「ぐりとぐら」シリーズです。「ぐりとぐらとすみれちゃん」の初版は2003年です。

 お話は……

 畑で野菜作りをしているぐりとぐら。育てているのはにんじんといんげんです。
 上手にできたので、つぎはかぼちゃを育てたいねと話していたら、女の子がたずねてきます。

 ずーっとむこうのすみれ原っぱから来たというすみれちゃんです。

 すみれちゃんは、大きな大きなかぼちゃをリュックにつめてやってきました。
 それは、世界にひとつしかない「すみれかぼちゃ」。

 ぐりとぐらとすみれちゃんは、すみれかぼちゃを使ってかぼちゃ料理を作ります。

 かぼちゃのぺちゃぺちゃに、ぺたぺた焼き。
 かぼちゃプリン、かりんとう、かぼちゃコロッケ、かぼちゃドーナツ、むしパン、かぼちゃせんべい……

 そして、森のみんなと一緒に食べました。

 すみれちゃんがスキップしながら帰っていったあと、ぐりとぐらはすみれかぼちゃの種を植えるのでした。

 ……と、いうのがあらすじ。

 福音館書店のHPによれば、この「すみれちゃん」にはモデルがいたそうです。
 ぐりとぐらの大ファンで、4歳で脳腫瘍でこの世を去った女の子でした。

 盛岡での講演のさい、すみれちゃんのお父さんが、すみれちゃんのお母さんが書いた手紙を中川先生に手渡したことから交流が始まったそうです。

 かぼちゃが大好きで畑の手伝いが大好きで、スキップが大好きな女の子だったすみれちゃん。
 中川先生はすみれちゃんが絵本の中でぐりとぐらと楽しい時間をすごせるようにと、お話を書かれたのです。

 子どもにとって、いえ、子どもだけでなく大人にとっても病気で動けないときには絵本はなによりの友です。
 身体が痛いとき、辛いとき、力を出そうとしても出せないとき、食欲がないとき、難しいことが考えられないとき……そんなときでも絵本はそばにいてくれて力を貸してくれます。

 読んだ後は想像の世界で自分をささえてくれます。
 実在のすみれちゃんも、病で何も食べられなくなったあとも絵本を読みながら食べるまねをしていたそうです。

 元気になって外で遊ぶ願いはかなうことなく幼い命を閉じたすみれちゃんですが、絵本のなかでは元気な姿で永遠に幸せそうに遊んでいます。そして、その無邪気な姿が、読んだ人の疲れた心を癒すのです。

 固い固いかぼちゃを割るために、「えいっ」と空にかぼちゃを投げるすみれちゃん。
 落ちてきたかぼちゃは地面に落ちて、ぱきーんとひびが入ります。

 おそろしく豪快な割り方ですが、実際に北海道ではこのような割り方があるらしい……。(検索してみましたが、ほんとうにあるようです)

 割れたかぼちゃでぐりとぐらとすみれちゃんは、かぼちゃパーティーをしてかぼちゃ料理を楽しみました。

 「かぼちゃのぺちゃぺちゃ」はおそらくかぼちゃのマッシュでしょう。ポテトサラダのかぼちゃ版みたいな?
 「ぺたぺた焼き」は、たぶんかぼちゃのマッシュに片栗粉を入れて固めたものをバターで焼いたものではないでしょうか? あれ、おいしいですよね。それ以外のメニューはだいたいわかります。

 ぐりとぐらが大好きなのは、お料理することと食べること。だから、ぐりとぐらの絵本ではお料理するシーンは生き生きとしていて楽しそうだし、みんなでお食事するシーンは最高においしそう。

「生きることは食べること」だと、しみじみと感じるぐりとぐらのシリーズ。
「ぐりとぐらとすみれちゃん」は、植物を育てる喜び、料理する楽しさ、そして仲良しのみんなで食べる幸せを描いています。

 文章はすべてひらがな。50音が読めれば一人読みができますが、読み聞かせがおすすめ。
 元気なぐりとぐら、すみれちゃんの交流を読んでいると、自分でも野菜を育てたくなり、お料理したくなり、みんなでにぎやかに食べたくなります。

 猛暑となりそうな今年の夏ですが、おうちで絵本を読んだあと、かぼちゃパーティーをするのも楽しそうです。
 今は夏かぼちゃが旬。
 疲れて元気が出ないとき、βカロテンたっぷりのかぼちゃは食べると元気がもりもり出てきます。

 絵本を読んで、お料理して、食べて、元気に夏を乗り切りましょう。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。楽しくほのぼのとした絵本です。

 おいしそうなかぼちゃ料理がたくさん出てくるので、読後は絶対に食べたくなります。にんじんの葉っぱが入ったオムレツもおいしそうですけどね。

 ※絵本のなかには(あとがきも含めて)裏話は書かれていませんが、知ってしまうと哀しい気持ちになるか知れません。

 

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