【どすこいみいちゃんパンやさん】猫のパンやさんはおすもうさん?猫好きさんの心をつかむ不思議な猫絵本。【4歳 5歳 6歳】

2024年4月14日

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どすこいみいちゃんパンやさん  町田尚子/作 ほるぷ出版

みいちゃんはパン屋さん。どすこいどすこい今日もがんばるぞ!ねこのパン屋さんが毎日おいしいパンを作ります。そんなみいちゃんは眠っている間に……(どすこいみいちゃんパンやさん  町田尚子/作 ほるぷ出版)

この本のイメージ なぜ相撲?☆☆☆☆☆ なぜパン?☆☆☆☆☆ でも猫が可愛い☆☆☆☆☆

どすこいみいちゃんパンやさん  町田尚子/作 ほるぷ出版

<町田尚子>
1968年、東京都生まれ。武蔵野美術大学短期大学部卒業。
作品に「ネコヅメのよる」(WAVE出版)、「さくらいろのりゅう」(アリス館)、「いるのいないの」「あずきとぎ」(京極夏彦・作/岩崎書店)、「おばけにょうぼう」(内田麟太郎・文/イースト・プレス)などがある。

 猫好きさんたちの心を鷲づかみにする町田尚子先生の猫絵本「どすこいみいちゃんパンやさん」のご紹介です。初版は2023年9月。

 猫のみいちゃんはパン屋さん。毎朝、気合をいれるためにしこを踏みます。どすこい、どすこい。
 そして、グーパーグーパーしながら、どすこい、どすこいとパン生地をこねます。
 次にどすこい、どすこいと生地をまるめて、
 どすこい、どすこいとオーブンに入れます。

 パンを焼いている間、みいちゃんは転寝をしてしまいました。
 そのあいだに、なんとおすもうさんになった夢をみます。どすこい。
 取り組み相手は子猫のしましま三きょうだいです。
 みいちゃんは、はっけよーい……
 そこはパンの土俵。みいちゃんたちは土俵を食べちゃって……

 ……と、いうのがあらすじ。

 いや、なぜ相撲?
 なぜパン屋?

 言う疑問も吹き飛ばす、猫の圧と吸引力。
 町田先生の描く、ふくふくと太った大人猫の魅力が前回の絵本です。

 おそらくモデルになった猫がよくおすもうさんみたいなポーズをするのではないでしょうか。
 確かに、ときどきそんな猫がいます。

 そして、パンの生地をグーパーしてこねこねするポーズや、生地をまるめるポーズは猫がよくする、あの「ふみふみ」ポーズやおトイレでふんばるポーズに似ています。

 みいちゃんの仕草は、猫好きさんなら日常的に見ているものばかり。
 子猫ファンのために、しましま三きょうだいも登場しますがやはり町田先生の真骨頂はデブ猫です。

 姿勢を低くして眼光鋭く睨むすがたも、あごを上げてフンッと鼻息荒くするすがたも、眠気を我慢できなくて大口あけてあくびをするすがたも、どこも愛らしくはないしふてぶてしくて迫力満点なのに、可愛いのです。
 いや、おそらく、これを可愛いと感じるのは、長年猫を飼った経験がある人でしょう。

 この瞬間瞬間を見逃さずに絵本にしてくれるのが町田先生です。ありがたい。

 字はすべてひらがなとカタカナ。五十音が読めるならひとりでコツコツ読みきれると思いますが、読み聞かせならきっと笑顔の耐えない楽しいひとときになるでしょう。

 こういう不条理なファンタジーって、小さな子どもの頃はツボにはまってしまうんですよね。わたしも幼児のときにこの絵本に出会ったら「どすこい、どすこい」と連呼しながら、しばらくマイブームにしちゃう自信ある。
 小さな子どもの頃って、こういうわけのわからなさがたまらない。

 読み聞かせに、プレゼントに、大人の和み本としても。

 小さな猫好きのお子さまから年季の入ったベテランの猫好きさんまで。
 「どすこいみいちゃんパンやさん」はすべての、あらゆる猫好きさんにおすすめの絵本です。

 心がちょっと疲れたとき、笑顔になりたいとき、堂々たる風格のみいちゃんを見てちょっぴりクスっとしてくださいね。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。ふくふくとしたみいちゃんが、猫らしい様々なポーズで笑顔にしてくれます。どうしてパン屋さんでどうしておすもうさんなのか、わかるようでわからない、でも、猫が好きなら絶対に笑顔になってしまう絵本です。

 読後はおいしいパンと紅茶でひとやすみしましょう。

 

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