【氷の上のプリンセス・ジュニア編5】はじめての世界選手権! フィギュアスケート愛とときめきの少女小説ジュニア編。【小学校中学年以上】

2024年4月16日

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氷の上のプリンセス・ジュニア編5  風野潮/作 Nardak/絵  講談社青い鳥文庫

全中で優勝したかすみのもとに、急な知らせが届く。世界ジュニア代表の選手が怪我をし、代役で出場することになったのだ。準備不足ながら、全力を尽くそうとエストニアに向かうかすみだが……(氷の上のプリンセス・ジュニア編5  風野潮/作 Nardak/絵  講談社青い鳥文庫)

氷の上のプリンセス・ジュニア編5  風野潮/作 Nardak/絵  講談社青い鳥文庫

<風野潮>
大阪府生まれ。大学時代は吹奏楽部に所属。第38回講談社児童文学新人賞を受賞した「ビートキッズ」で1998年にデビュー。同作で、第36回野間児童文芸新人賞・第9回椋鳩十児童文学賞受賞。その他の作品に「クリスタル エッジ」シリーズ、「竜巻少女」シリーズ、「レントゲン」(いずれも講談社)などがある。

<Nardak>
韓国在住のイラストレーター。おもな挿絵に、「失恋探偵ももせ」(電撃文庫)、「睦笠神社と神さまじゃない人たち」(宝島社)などがある。

<この季節おなじみのスケートトーク。不要な方はスクロールしてね>

 先週末は、世界フィギュアスケート選手権2024モントリオール大会でした。

 まずは、坂本花織選手、金メダルおめでとうございます。歴史に残る三連覇です!
 今年の世界選手権は波乱含みで、ショートプログラムで坂本選手が四位スタートという事態でしたが、これが逆にライバル選手を混乱させたような気がします。
 フリーであの坂本選手の完ぺきな演技の後に演技するのは、たいへんな重圧になったでしょう。 それくらいすばらしい演技でした。わたしは、坂本選手のでっかいジャンプが大好きです。来季もぶちかましてくださいね!

 千葉百音選手、五位入賞おめでとうございます。はじめての世界選手権で緊張したと思いますが、素晴らしい成績。いつもながら繊細で優雅な演技でした。インタビューで「緊張するとこの世の終わりのような表情になる」と答えていましたが、あの儚げな表情のファンは多いと思いますよ。(わたしは好きです)

 吉田陽菜選手、大舞台でのトリプルアクセル成功、おめでとうございます。すばらしいジャンプでした!ここで決めたのは大きいと思います。素敵な鶴の演技でした。
 来季も期待しています!
 しかし、アンバー・グレン選手と言い、高難度ジャンプをプログラムにいれてまとめきるのは本当に難しいものなのですね。今噛みしめる浅田真央選手の偉大さよ……

 男子。鍵山優真選手、銀メダルおめでとうございます!高くて質のいいジャンプ、優雅な所作、鍵山選手の魅力が爆発したショートとフリーでした。わたしは今季のショートプログラムが大好き。まだまだ点の上積みが期待できますし、来期も楽しみです。応援しています!

 宇野昌磨選手、今回は悔しい結果となってしまったかも。でも、最高のショートを見られたのは幸せでした。今年のフリーは挑戦的なプログラムで、宇野選手の芸術性がいかんなく発揮されていました。今期のNHK杯のフリーの演技は額縁に入れて飾りたいくらい好きです。今後の去就は未定ということですが、まだまだ競技プログラムにおいて宇野選手にしか表現できない、独自の世界観をずっと見ていたいという人は多いと思います。続けてくれますように。

 三浦佳生選手、大波乱の世界選手権で堂々の八位です。ご本人的には悔しいところがたくさんあると思いますが、気迫のこもった演技は惹きこまれました。これからどんどん伸びてゆく選手だと思います。来季も期待しています!

 ペア、「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組、銀メダルおめでとうございます!
 三浦選手の怪我のあと木原選手の怪我と、困難が続いた今シーズン、復帰二戦目でこの成績はすばらしい。ショートのはつらつとした雰囲気がふたりにぴったり。このふたりにしか表現できない純粋な世界観があります。
 見ているだけで幸せ気分になるペア。健康に気を付けてできるだけ長く続けてくださいね。

 アイスダンス。チームココこと小松原夫妻組。いつも今持てる全力、最高を見せてくれるカップルです。日本のアイスダンスをずっと支えてくれてありがとう。来季もがんばって!

 海外選手のことも少し。
 イザボー・レビト選手。あの坂本選手の演技の後でノーミス演技はすばらしい!
 たおやかで繊細な演技でした。折れちゃうくらいに細いのに、ジャンプも上手い選手です。来季も注目しています!

 アダム・シャオイムファ選手。今回の台風の目でした。ショートで19位と出遅れ、誰もが「これはもうだめだな」と思っていたところからの大逆転劇。なんと三位表彰台です。
 完璧な演技で第一グループの点数じゃないでしょという得点を叩き出し、最終グループになるまでずっと漬物石のようにアダム選手の名前が一番上にありました。漫画みたい。
 しかも、禁止されているパックフリップを跳んで減点までされているのに……
 これ、ご本人的にはきっと台乗りはないだろうとせめてもの気持ちで爪痕を残そうとしたような気もするのですが、かえって伝説の演技になってしまいました。
 さすがはフランス。キャンデロロやボナリーの魂が継承されている……

 イリヤ・マリニン選手。堂々の世界王者です。
 なんなんですか、このモンスター!見てて顎が外れそうになりました。四回転六本(うち一本はクワドアクセル)、残りのジャンプも全部三回転以上、アクセル、ルッツ、フリップという宇宙人構成です。えええ、人類、こんなところまで到達できるのですか……。
 歴史に残る、そして伝説級の演技となりました。しかも、表現力はまだ修行中という……この人に勝てる人は現れるのでしょうか。大変な時代になりました。

<ここからが本題。本日の本紹介>

 さて、本日ご紹介するのは「氷の上のプリンセス・ジュニア編5」。ノービス編の第1巻からコツコツ読み続けてついにジュニア編に突入しました。初版は2020年2月。たいへん人気のシリーズで、ノービス編から始まり、ジュニア編と続き、昨年シニア編が完結したもようです。

 このシリーズは、第1巻から完全にお話が続いていますので、レビューを読んで興味を持たれた方は、まずは「氷の上のプリンセス」ノービス編第1巻「ジゼルがくれた魔法の力」からお読みください。

 ノービス編第1巻のレビューはこちら

 今回のお話は……

 全中で見事優勝したかすみちゃん。来シーズンに向けて新しいプログラムを準備していたとき、急な知らせが飛び込んできました。

 世界ジュニア代表だった坂巻すみれちゃんが交通事故のために出場できなくなり、補欠だったかすみちゃんが繰り上がり出場となったためです。

 世界ジュニアまであと十日。超特急で準備して、いまできることを精一杯やるつもりでエストニアに向かったかすみちゃん。

 けれど、久しぶりに会ったフローラちゃんや海外のライバル選手の仕上がりを見て、大きな衝撃を受けてしまいます。

 自分のトリプルアクセルで勝てるのだろうか……

 ……と、いうのがあらすじ。

 すみれちゃんの怪我により急遽出場が決まったかすみちゃん。
 あとがきによると、友野選手の代打出場による大活躍にインスパイアされての展開だそうです。わかります。友野選手の活躍は胸を熱くしますよね。

 いまできる精一杯をやろうとエストニア入りしたかすみちゃんでしたが、久しぶりに再会したエルフグレーン王国のプリンセス、フローラちゃんが驚きの新兵器を身に着けていたり、若いロシアの選手が台頭してきていたりと、新たな時代の潮流に驚愕してしまいます。

 すぐに緊張してしまうかすみちゃんですが、なんとか自分をコントロールして試合に挑み……その先は読んでみてのお楽しみ。

 ジュニア編になってからは、綿密な取材のもとに書かれているようで、会場の様子や試合運びなどもリアルで、目の前で試合を見ているような臨場感があります。

 また、日本選手たちだけでなく海外のライバル選手たちもそれぞれ個性的で魅力があり、群像劇としての面白さもあります。
 今回は美桜ちゃんと陽菜さんの掛け合いが楽しかった。
 みんな負けん気が強くてぶつかりあうこともあって、そう簡単に譲らなかったりもするけれど、いい子たちばかり。
 ドロドロしたところのない、さわやかな青春物語です。

 文章はとても読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってあります。小学校中学年から。

 フィギュア大好きなお子さまに。「氷の上のプリンセス・ジュニア編5」はスポーツものや何かを目指す女の子のお話が好きなお子さまにおすすめの少女小説です。

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。フィギュアスケート好きなら思わずうなずいてしまうシーンなどもあり、スケート好きなお子さまにはおすすめの少女小説です。
 巻末には詳しいジャンプ解説もあります。試合を見るのがより楽しくなるかも。

 

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