【農場の少年】開拓時代の農家の日常がよくわかる「大きな森の小さな家」の続編。ワイルダー少年の物語【ローラシリーズ 5】【小学校高学年以上】

2024年1月25日

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農場の少年 ローラ・インガルス・ワイルダー/作 こだまともこ 渡辺南都子/訳

いまから150年以上前、ニューヨーク州北部にアルマンゾの農場はありました。アルマンゾは、厳しい父と優しい母に育てられ、力強く育っていきます。

この本のイメージ 開拓時代☆☆☆☆☆ 農家の生活☆☆☆☆ 独立心☆☆☆☆

農場の少年 ローラ・インガルス・ワイルダー/作 こだまともこ 渡辺南都子/訳

 わたしたちが子供の頃、「明治生まれは病気をしない」と言う言葉がありました。
当時は、明治生まれ、大正生まれ、昭和生まれが混在していて、そのなかで「昭和生まれはやわだ」と言われていたものです。

 昭和は途中で戦争だの、いろいろありましたから食料が充分にない時期があり、育ち盛りのときに栄養が足りていない人たちがたくさんいたからです。 明治生まれの人は、たしかに骨格がガッシリして、いかにも強そう健康そうと言うお年寄りが多かった気がします。

 この本は、「大草原の小さな家」シリーズの第五巻、後にローラと結婚するアルマンゾの幼少期の物語です。(大変申し訳ありません。わたし、第二巻と勘違いしておりました…訂正しました。第五巻です(恥)※どうやら原作では第2巻にあたるようです。)(2020年3月11日)

 第一巻の「大きな森の小さな家」と同様、日常のエピソードが淡々と書かれています。ものすごい悪者が出てきて、闘って倒すとかそういう話ではないので、大きな山や谷がないようにみえるかもしれません。
けれども、開拓時代の子供がどんなふうに暮らしていたか詳細に書かれていて、今となっては貴重な資料でもあると思います。

 ローラの家と違って、アルマンゾの家は、裕福で大きな農場です。毎日出される食事も、比べ物にならないくらい豪華です。

 当時の女性はみんなそうだったのかもしれませんが、今から見るとローラやアルマンゾのお母さんの体力は底なしですね。畑仕事をしながら、ハムやバターなどの保存食をつくり、ミシンで子供たちの服を縫い、料理をし、部屋の掃除や軽い修繕を行うという……

農場の少年 ローラ・インガルス・ワイルダー/作 

 もちろん、お父さんたちも野生動物と闘いながら、農場を経営して暮らしているわけですから、信じられないくらいの体力があるわけです。

 ローラの生活は、酪農と猟が中心でしたが、アルマンゾの生活は大農場の生活です。育ち盛りでやんちゃ坊主のアルマンゾが、時々失敗したり踏み外したりしながら、あこがれのお父さんを目指して家業を手伝う日々が描かれています。

 古きよき時代の、おいしそうな食べ物もたくさん出てきます。電子レンジもキッチンタイマーも無い時代に、これだけの料理をつくったんですねえ…。人類は進化したものです。
最後に、お父さんはアルマンゾにこんな言葉をかけます。

 「農民と言うのは、たよりにするのは、自分と土地と天気だ。もし、農民になれば、自分の手で食べるものを育て、着るものをつくり、自分の森で切りだしてきたまきであたたまることになる。仕事はきついけれど、自分がやりたいようにやればいい。ぼうず、農場ではな、自由で独立した人間になれるんだ。」(引用)

 ああ、本当に、人類は遠くまで来てしまったのですね。

 農家の人たちは、昔ほど自由ではありません。でも、そのかわりに文明や便利な生活は手に入りました。病気になる人も減りました。

 周囲の、いろんな便利なものに感謝しながら、大自然の恵みや人の未来について、想いをはせるきっかけになる本です。

 人間はいままでも、いつだって、こうやって何があっても切り開いてきたんですから、これからも、きっと、乗り越えていけるはず。

 ローラ・インガルス・ワイルダーのシリーズは、人間の力強さを感じられる本です。心が深呼吸したいときは、ぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。安心してお読みいただけます。ただ、読んでいると食べ物がおいしそうで、とにかくおなかがすくので、温かい紅茶やコーヒーと、ビスケットやチーズなどをご用意ください。パンプキンパイの描写はとてもおいしそうなので、絶対、食べたくなりますよ。

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