【なんでもだっこ!】子どもから大人まで、自己肯定感を高める癒しの絵本!無敵のだっこロボがなんでもだっこしちゃうよ!【4歳 5歳 6歳】
ぼくは無敵のだっこロボ! なんでもだっこしちゃうよーん。おかあさんだって、おとうさんだって、おねえさんだって、おまわりさんだって、おじいさんだって、おじさんだって、おばさんだって……。だれだって夢中になるはずさ。ベンチだって、ポストだって、くまさんだって……
この本のイメージ なんでも全肯定☆☆☆☆☆ 全年齢対象☆☆☆☆☆ 愛こそ無敵☆☆☆☆☆
なんでもだっこ! スコット・キャンベル/作 せなあいこ/訳 評論社
<スコット・キャンベル>
アメリカの絵本作家。ゲームデザイナー、コミック作家としても活躍。サンフランシスコのアカデミー・オブ・アートで学んだ。文章と絵を両方手がけた初めての絵本が『なんでも だっこ!』。
不安定な社会情勢の影響で、欝や過労など、さまざまな問題が増えています。そのとき、大切だといわれているのが「自己肯定感」。
自己肯定感は、自己正当化や、自己承認欲求、自己愛などと混同されがちですが、「ありのままの自分のことを欠点もひっくるめて肯定する」こと。自己肯定感の高い子どもは、大人になっても困難に遭っても、自分の失敗をすなおに認め、へこたれずに前進でき、また他人の欠点や難点も受け入れられると言います。
親が子どもに絵本を与えるとき、どうしても「数をちゃんと数えられるか」「字がきちんと読めるか」など、知育効果を期待しがち。もちろん、就学前に算数や国語の基礎をおぼえることは大切ですが、家族と言う小さなユニットから、学校と言う大きな集団に帰属するまえに、「自己肯定感」を高めておくことは、人間関係のトラブルや複雑な問題に直面したときの心の予防接種になります。
心の土台をはぐくむことは、算数や国語と同じくらい大切なのです。
このサイトでは、定期的に自己肯定感を高める効果のある絵本をご紹介しています。
今回ご紹介する絵本は、「なんでもだっこ!」。
これは、日本では2016年出版の比較的新しい絵本です。作者のスコット・キャンベルはゲームデザイナーさんだそう。
でも、これは……ロングセラーの予感……!
ストーリーは単純で、
「しゃきーん! やってきたよ。 ぼくは、むてきの だっこロボ」(引用)
と、いきなり、しましまシャツを着た腕の長い男の子が登場します。どうやらロボットのようです。
「だっこが とくいな だっこロボ。 だっこなら おまかせ!」(引用)
と、手当たり次第に抱きついてゆきます。が、相手が全員大人。
ママ、パパ、おねえさんに抱きついたら、町へ出ておまわりさん、おじいさんと次々と抱きついてゆきます。
大人も子どもも、ベンチもポストも、ひつじも、大岩も車も蛇も、なんだってだっこしちゃう。
もちろん、泣いてる赤ちゃんも、だっこロボのだっこでニッコリ。
「おいらは どう? こんなに とげとげじゃ だれも だっこして くれないよ」(引用)
と、登場した巨大なハリネズミくんも、だっこロボならへいちゃら。
「だいじょうぶ!」
と、みごとにだっこ完了! だっこロボに不可能はないのです。
そんなだっこロボのエネルギー源は、なんとピザ!
ピザをもりもり食べてエネルギーを満タンにしただっこロボはまた街に繰り出します。
そして、町中の人や物をだっこして、ふたたびヘロヘロになってしまいました。
疲れておうちにもどって来た、だっこロボは、優しいママにだっこされて、めでたしめでたし。
と言う、最初から最後まで、愛にあふれた、ほんわか絵本です。
だっこを「相手をそのまま受け入れる」と解釈すると、これは世界をまるごと受け入れて、全肯定する絵本です。そして、へろへろに疲れちゃっただっこロボも、ママにちゃんとだっこされて、愛は循環しています。
ところで、このロボ、ほんとうにロボなんでしょうか。それとも、ただのピザ好きの、ママの息子さんなのでしょうか。
ちょっぴり「謎」を残して、物語は終了します。
読み終わった後、おかしくてかわいくて、微笑んでしまう、あったか絵本です。
親子で読み聞かせもいいでしょうし、大人の和みタイムにもおすすめ。
プレゼントにしても喜ばれそう。クリスマスにも、お誕生日にも、お見舞いにも、ふとしたときのプレゼントにも。
だっこロボで和んでくださいね。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。ひたすら和む絵本です。子どもから大人まで、ちょっぴり疲れた方には、全員おすすめ。ふんわりした優しい色彩の、とぼけた絵を見ていると、おもわず顔がほころんでしまいます。
親子で読んだ後は、もちろんピザ。
熱々のピザを食べて、エネルギー補給してくださいね。
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