【何があっても前を向いて】スローライフのカリスマ、ターシャ・テューダーのイラストとメッセージ。心がほっこりする大人のための絵本です。

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何があっても前を向いて ターシャ・テューダー/文・絵 食野雅子/訳 株式会社KADOKAWA

ターシャ・テューダーは、アメリカの絵本作家、人形作家、そしてガーデナーです。2008年に92歳でこの世を去るまで、バーモント州の広大な庭と18世紀風の屋敷で、古風な暮らしをしていました。彼女の作品と庭、ライフスタイルは、いまなお、多くの人に影響を与え続けています。

この本のイメージ 大人のための絵本☆☆☆☆☆ 美しいイラスト☆☆☆☆☆ 深い言葉☆☆☆☆

何があっても前を向いて ターシャ・テューダー/文・絵 食野雅子/訳 株式会社KADOKAWA

<ターシャ・テューダー>
ターシャ・テューダー(Tasha Tudor、1915年8月28日~2008年6月18日)はアメリカの絵本画家・挿絵画家・園芸家(ガーデナー)・人形作家。彼女の絵は「アメリカ人の心を表現する」絵と言われ愛されている。50歳代半ばよりバーモント州の小さな町のはずれで1800年代の農村の生活そのままの自給自足の一人暮らしを始める。彼女の住む広大な庭でのライフスタイルはいまなお多くの人々のあこがれである。

何があっても前を向いて ターシャ・テューダー/文・絵 食野雅子/訳 株式会社KADOKAWA

 ターシャ・テューダーの短い言葉に、ターシャの素朴なイラストを組み合わせたイラスト集です。
 彼女のあたたかみのある、やさしい絵に、ターシャ自身の深みのある短い言葉が各ページに添えられています。

 どれも、表情豊かな子どもたちと動物たちの絵で、ターシャが子どもと動物、そして自然をどれだけ愛していたかが伝わってきます。

 純粋にすごいと思うのは、一画面に入っている子どもの人数と動物の多さ。バストショットなんてひとつもなく、それぞれが生き生きとした動きで、好奇心いっぱいの年頃の気持ちを表現しています。

 ディフォルメがほとんどない、99パーセントのリアルに、ほんの少しのニュアンスが加わった、絶妙のイラストなのです。
 動物と植物は、さすがの細密さ。ターシャが日々、何をいとおしく見つめてきたかが伝わってきます。

 ターシャ・テューダーは、発明家の父と画家の母のあいだに生まれ、家には電話を発明したベルや、アインシュタインなどが出入りするような家でした。

 しかし、ターシャはそのような上流の暮らしになじめず、農家の叔母の家に預けられていた時代が楽しかったことから、大人になって念願の庭を手に入れます。57歳のときでした。

 ターシャはバーモント州南部の小さな町はずれマールボロに、およそ30万坪の広大な庭と、長男セスが建てた18世紀風の家で、電気もガスも使わない、開拓時代のような暮らしをはじめました。
 家と庭の一帯は「コーギー・コテージ」と呼ばれ、彼女の庭はいまでもガーデナーのあこがれです。

 ターシャに大きく影響を与えたのは、ウォールデン湖のほとりで自給自足の生活をした思想家ヘンリー・デイヴィッド・ソローの「ウォールデン━森の生活」

 ちなみに、ウォールデン湖から氷を切り出して世界有数の天然氷の販売業者「アイスキング」と呼ばれたターシャの祖父フレデリック・テューダーは、かの「若草物語」の登場人物、ローリーのモデルです。

 わたしは軟弱なので電気もガスも欲しいし、何もかもをターシャのように暮らしたいとは思いませんが、彼女の生き方やライフスタイルは、内向的な人間の生き方に一つのヒントを与えてくれました。

 自然に囲まれて、少数の信頼できる人たちと交流しながら、しかし、社会とは「絵本作家」と言う活動を通してしっかりとつながり、バランスよく生きる……。

 無理して大勢の人間がいる場所に混じろうとはせず、自分のスタイルを貫き、しかしながら、広い世界とのチャンネルは閉じずに開いておく。けっして社会から断絶しない。だからといって多数におもねらない、その確かな生き方。

 ターシャを知って「こういう生き方があるのか」と目からうろこが取れた気持ちでした。

 しかも、彼女が人生最大の事業に乗り出したのが57歳のとき。もう子供たちは立派に成人しています。
「近道を探そうとしない」という彼女のモットー通り、ほんとうにやりたいことをするまで辛抱強く準備したんですね。
 急がない、でも、諦めない。まさしく、植物を育てるかのようです。

 「自分のしたいことを
  自分がいいと思うようにすればいいのです。」(P100)

 力強い言葉です。
 もちろん「自分の経済力に見合った暮らしをする」とか、現実的なメッセージもあるのがターシャ流。彼女からは学ぶことがたくさんあります。

 今なら、インターネットの力を借りて、ささやかでもターシャのように暮らすことができます。
 とくに、この時期は外出しないほうが良い時期。

 ベランダや日当りのよい窓際に小さなプランターで自分だけの「庭」を作ったり、お部屋に花を飾ったり、絵を描いたり読書をしたり、ハンドメイドを楽しんだり、お料理のレパートリーを増やしたり、スーパーで買ってきたお菓子ではなく自分で素朴なお菓子を作ったり……

 ターシャの生活は、今のわたしたちが幸せに生きるヒントをたくさんくれるのです。

 家の中には、楽しいことがいっぱい。
 ターシャのあたたかいけれど、前向きな言葉を読んで、家で楽しいことをたくさんしましょう。

 わたしは、本が好きでよかったなあ、としみじみ思います。読みたい本がたくさんあるので、むしろ毎日が忙しいのです。
 これからも、楽しいおうち時間を過ごしましょう。

 こんなときは、「近道を探そうとしない」のがコツなのかもしれません。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。これは大人のための和み絵本です。人間のバストショットはないのに、愛らしいコーギーのアップのイラストはあるんです。目があうと思わず微笑んでしまいます。

 お風呂上りなどに、ハーブティーを飲みながら読むのにおすすめ。
 シンプルな言葉と、やわらかなイラストに心が癒されます。

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