【メリーメリーへんしんする】「思い出のマーニー」のジョーン・ロビンソンがおくる、やんちゃな女の子のドタバタコメディ、第3巻。読み聞かせに。【メリーメリーシリーズ】【小学校低学年以上】

2024年3月29日

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メリーメリーへんしんする ジョーン・G・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

彼女は五人きょうだいの末っ子のメリーは、みんなに「メリーメリー」と呼ばれています。ちっちゃくて、いつも置いてきぼりのメリーリー。でも、メリーメリーはそんなことには負けません……「思い出のマーニー」の作者がおくる、やんちゃな女の子の物語。

この本のイメージ 幼児あるある☆☆☆☆☆ やりたいほうだい☆☆☆☆☆ 終わりよければすべてよし☆☆☆☆☆

メリーメリーへんしんする ジョーン・G・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

<ジョーン・ロビンソン>
Joan Gale Robinson、(1910年2月10日 ~ 1988年8月20日)はイギリスの児童文学作家。バッキンガムシャー州生まれ。イラストレーターとしての教育を受け、小説とイラストの両方を手がけた。代表作は「思い出のマーニー」「くまのテディ・ロビンソン」など。

 「思い出のマーニー」「くまのテディ・ロビンソン」で知られるジョーン・G・ロビンソンの小学校低学年向けの物語、「メリーメリーシリーズ」の三冊目。

 MADAM MARY-MARY (本国初版1957年)MORE MARY MARY(本国初版1960年)からのよりぬきのようです。日本での初版は2017年。

 五人きょうだいの末っ子、「メリーメリー」こと小さなメリーが引き起こす抱腹絶倒の事件の数々。短いお話のオムニバスで、この本には五本のお話が収録されています。

 「メリーメリー」のシリーズは全部で三冊。基本的に一話完結で、どの巻から読んでもいいのですが、最初から順番にお読みになりたい方は、まずは「メリーメリーおとまりにでかける」から。「メリーメリーおとまりにでかける」のレビューはこちら

 作者のジョーン・ロビンソンにはデボラちゃんという娘がいて、ロビンソンの子ども向けの本は彼女のために書かれたと言われています。ロビンソンの子ども向けシリーズはメリーメリーのほかに「くまのテディ・ロビンソン」シリーズもあって、そちらの主人公の名前はデボラちゃんと言います。

 「思い出のマーニー」がしっとりとしたお話なので、マーニーしか知らない人はびっくりされると思うのですが、メリーメリーのシリーズはかなりはちゃめちゃです。

 どちらかというと、マイケル・ボンドの「くまのパディントン」シリーズに通ずるところがあって、「小さいから何もできないでしょ」とお兄ちゃんお姉ちゃんたちに置いてきぼりにあっていたメリーメリーが、「わたしだってできるもん」と負けん気を出して一人でやろうとして、それが最初はうまくいかないくてむちゃくちゃになり、その後、偶然が重なって、どういうわけか、びっくりするようなハッピーエンドに落ち着く、と言うお話です。

 収録されているのは、

 ・メリーメリーときねんしゃしん
 ・メリーメリーへんしんする
 ・メリーメリーと雪男
 ・メリーメリーの大みそか
 ・メリーメリープリムローズをみつける

 の五本です。

 メリーメリーには「こうあるべき」とか「こうするのがふつう」というのがなく、とにかく好奇心いっぱい。楽しいこと、面白そうなことに突進します。

 けれど、単にわがままで礼儀知らずと言うわけではなく、人助けをしたい、役に立ちたいという気持ちや、美しいものやかわいいものを大切にする気持ちもあるので、どんなに途中でむちゃくちゃになっても最終的にはハッピーエンドになるし、みそっかす扱いしているお兄ちゃんお姉ちゃんたちも、最後には思わずメリーメリーのことを自慢してしまうのです。これが、メリーメリーの魅力。

 日本では小さな子どもが好奇心の赴くままに外の世界にズカズカ入ってゆくと、「ずうずうしい」「礼儀知らず」と言われがち。
 ところが、名作児童文学のこの手のキャラクターは、礼儀はきちんとしているのです。
 パディントンはちゃんと帽子をとって挨拶するし、メリーメリーもごあいさつや受け答えはちゃんとしています。ただ単に、大人の世界との価値観のすれ違いでおかしなことになっているだけなので、どんなに暴走しても傍若無人ではないのです。この絶妙のさじ加減。

 素直な心で好奇心の赴くままに突進するけれど、誰よりも優しくて笑顔が素敵なメリーメリー。ふだんはやんちゃで、きかんぼうなのに、家族のみんながせかせかしている時、小さなプリムローズの花が咲いているのを見つけてみんなに見せてあげようとする繊細なところもあります。

 そして、途中でどんなにしっちゃかめっちゃかになったとしても、最後には「めでたしめでたし」になるのは、登場する人がみんないい人ばかりだからかもしれません。

 わたしは表題作の「メリーメリーへんしんする」が1番好き。

 メリーメリーは、時々大人の古着を着て「マフィンさん」と言う人に扮して自分の家で「お客様ごっこ」をするのですが、それがエスカレートして……と、いうお話。

 この「マフィンさんごっこ」に、お母さんだけでなくお父さんも乗っかってくれ、最終的には「マフィンさん」が訪問した先のご夫人も、そして大勢の大人たちも面白がってくれるのがほほえましい。小さな子どもの「ごっこ」にみんなが乗っかってくれるなんて現代だとありそうにない感じだけれど、この優しい世界に癒されます。

 現代の日本では、とかく「大人の決めた型」に子どもを合わさせたがります。今は高齢化社会なので、そのほうが面倒も少なくて楽なのでしょうけども、それでは子どもは窮屈だし楽しくなさそう。

 大人の世界に子どもを合わせさせるより、子どもの想像力や好奇心に大人が付き合ったほうが楽しいに決まってる。メリーメリーは、そんなことに気づかせてくれるのです。(もちろん、道徳や礼儀は大切です

 ほとんどがひらがなとカタカナで書かれており、ときどき入る漢字にはすべて振り仮名が振ってあるので読み易く、小学校低学年からお楽しみいただけます。もちろん、親子での読み聞かせにもぴったり。

 ぜひメリーメリーで「手のかかる子の可愛さ」を感じてみてください。メリーメリーのやんちゃさは、かけがえのないたくさんの思い出を家族にくれる美徳でもあります。

 正反対の、内向的なお子さまがいるおうちにも。メリーメリーのダイナミックさに、細かいことで悩んでいるのがばからしくなってきて元気が出てきます。大人の和み本としてもおすすめで、読んでいるうちに子ども心を思い出してすっきりしてきます。

 可愛くって癒されるメリーメリーのシリーズ、全部で三冊です。心のビタミンになってくれること請け合いなので、ぜひ、手にとってみてくださいね!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はほとんどありません。
 純粋に大笑いできる楽しくゆかいなストーリーです。好奇心いっぱいでやんちゃなメリーメリーと、周囲のおおらかな大人たちとの、ゆかいであたたかい物語です。

 メリーメリーはやんちゃですが、礼儀知らずではありません。意外にもお行儀や礼儀作法はきちんとしています。なので、「うちの子がメリーメリーのまねをしたら」と言うご心配は、まあ大丈夫なんじゃないかと思います。

 細かいことで悩みがちな、繊細なお子さまにおすすめ。元気の出るお話ばかりです。

 

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