【HSP】敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒントとは?

2024年2月4日

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敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント イルセ・サン/著 批谷玲子/訳

HSPや内向的な人たちには彼らに適した生き方があります。外向的な社会に無理にあわせて生きることなく、マイペースで生きていくためのヒントがここにあります。

敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント イルセ・サン/著 批谷玲子/訳

 このサイトでは、定期的にひといちばい敏感な人たち「HSP」または、そんな子どもたち「HSC」についての記事を書いています。HSPという概念を最初に提唱したのは、エレイン・アーロン博士です。

 エレイン・アーロン博士は、その著書の中でチェックリストを設けており、その点数が高いほどHSPだと言われています。(わたしは全部でした)

 その後、日本でもHSPについての本が何冊か出版されるようになりましたが、アーロン博士、サン博士の著書に比べると、どうしても「なんとなく違うな」と思うことが多く、なかなかご紹介できずにいます。

 今回ご紹介する「敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント」は、HSPだけでなく、内向的な気質の人について、また、HSPでかつ内向的な人について書かれた本で、かなりツボを押さえた内容だと感じたのでご紹介いたします。

 興味を持った方はぜひ、ご購入されてください。

この本の内容(以下、項目を引用 太字部分)

敏感な人と内向的な人の特徴

内向的な人
 ・狭く深い人間関係を好む
 ・集団行動が苦手
 ・人前で話すのが苦手

敏感な人(HSP)
 ・感受性が高い

ラクに生きるヒント 1 過度な刺激から自分を守る

 1 自分に最適な刺激のレベルを知っておく
 2 じっと自分の内側に集中し、受け止めた情報を整理する
 3 ニュースをチェックしすぎない
 4 電話に振り回されない
 5 周囲の人と過剰に接触しないようバリアを張る
 6 できるだけ集団行動を避ける
 7 「礼儀を尽くすこと」と「我慢すること」は違うと知る
 8 心を静められる活動に集中する

 最も大切なことだと思います。HSPにもいろんな種類があり、光に敏感な人、音に敏感な人、人の感情に敏感な人、人間関係に敏感な人、嗅覚に敏感な人、触覚に敏感な人、言葉遣いやニュアンス、表情などに敏感な人など様々な人がいます。自分にとって、何が刺激かを知り、それについて最適レベルを知る事はとても大切です。

 たとえば光に敏感なら、サングラスやサンバイザー、つばのついた帽子、臭いに敏感ならマスク、音に敏感なら耳栓やイヤーマフ、ノイズキャンセルヘッドホン、触覚に敏感なら手触りのいいマフラーやショールなど、外側の刺激から身を守る方法があるはず。

 それら、「物理的方法」は遠慮なくバンバン採用するべきです。
 いままで、HSPに対するアドバイスは「心頭滅却すれば火もまた涼し」タイプのものが多く、高度すぎました。
 そんなことが出来たら、苦労はしません。むしろ、HSPは、熱い火がひといちばい熱く感じるタイプです。
 熱いと感じたら扇子で扇げばいいし、水も飲めばいいと思います
。 また、感受性が鋭いのを利用して風鈴を下げたり、涼しげな音楽やせせらぎの音を流すのもよいとおもいます。

 また、内省し、情報を整理するのも、情報過多になるHSPには有効です。
 ぬいぐるみや観葉植物に話しかける、ノートに書いて整理するなど、自分なりの方法をとってみてください。最近は海外でも流行している瞑想もいいですよ。

 ネガティブなニュースや騒々しいバラエティ番組、過剰なリアリティー番組から距離を置くのも手です。見ないと、職場の人たちと会話できない、だから仕方なく……みたいな場合もあるでしょう。
 でも、その場合は、「番組を見る時間」と「同僚と会話する時間」が二重に苦痛です。思い切ってこれらの時間をカットして「すみません、うちにテレビないんです」くらい言って、スルーしてしまいましょう。

 その後の周囲の人とのバリアや、過剰な集団行動からの回避は、「うちにテレビはありません」と言うと、かなり簡単に出来てしまいます。これは、ぜひお試しください。
 不思議なものですが、「うちにテレビはありません」と言うと、その後はたいていの人が向こうから適度に距離を置いてくれることが多いのです。

 「礼儀を尽くすこと」と「我慢すること」は違う。と著者は書いています。
 これは、まさしくそうだと思います。ほんとうにいい人なら、相手に過剰に我慢させることは辛いはず。きちんと礼を尽くして、無理な事は無理と伝えたほうが、「言ってくれてよかった」となるはずです。

 心を静められる活動は、人によって違うはずです。でも大切にしてください。
読書や編み物、料理、ジョギング、ウォーキング、筋トレ、音楽を聞く、入浴、ガーデニング、ハンドメイドなどなど……そういうことをする自分を「弱い」と思わないでください。とても大切なことです。

ラクに生きるヒント 2 堂々巡りの不安を断ち切る

 1 最悪の事態ばかりを想定しても得する事はないと知る
 2 「いざというときには困難に対処できる」と自信を持つ
 3 老いや死を恐れすぎない

 これはかなり高度なことですね。
 仏教などは、こういうことを乗り越えるための宗教のようにも感じます。けれども、あんな偉大なお釈迦様が人生のかなりの時間を使ってたどりついた「悟り」の境地ですから、そんなに簡単には行けないと思って、気楽に構えたほうがいいと思うのです。

 また、この項で紹介されている、ヴィクトール・フランクルの「夜と霧」は、辛いときに生きぬく力をくれる本なので、苦しいときにはおすすめです。

ラクに生きるヒント 3 日々に喜びや意義を見出す

 1 天職をみつける
 2 社交の場に参加するときは前もって準備する
 3 あえて人と接触しやすい場所に住む
 4 メールやSNSを上手く活用する
 5 外向的な人とも交流してみる

 この項は、さすがに高度すぎるだろう、と思われるのと、わりと他のHSP本にもありがちな「ちょっと違う」感がある項目なんです。どうしてもこういう項目は入れないといけないのでしょうか。
 無理をして、消耗しきってしまうのも問題なので、ぜひ無理のない範囲で。と思います。

 HSPに向いている職業というのは、確かにあります。
 しかし、その「向いている職業」が当人にとって幸せかどうかはまた別なのです。

 たとえば、看護師、ホテルマンなど、相手の状態を読み取り適切な対応をする職業、精神科医、カウンセラーなど他人の心に寄り添う職業などは適性がありますが、同時に本人にたいへんな負荷がかかります。

 細かいことに気がつくので、商品の検品や、ソフトウェアのデバッガー、システムのテスターには適性がありますが、上司との相性によっては「小言を言う人」「クレーマー気質」のレッテルを貼られ、普通の人より仕事をきつく感じることもあるかもしれません。

 物事の意味を深く理解し、論理立てて考えることが得意ならば、契約書のチェックなども得意なので、弁護士やパラリーガルも適性がありますが、他人の不幸やトラブルに感情移入しやすい人には、負荷がかかるでしょう。

 音に敏感な人には、音響関係の仕事や、音楽家、ミュージシャンが適性がありますが、職場によっては負担がかかることもあります。
 芸術関係の仕事は、まさに相性です。仕事そのものが向いていても、継続できるかどうかは運もあります。

 短所は長所であり、長所は短所でもあります。
 自分の短所をうまく長所にできれば、自分も他人も幸せになれると思います。無理せず、自分のペースで。

 ただ、確かに一部の外向的な人が、内向的なHSPの助け手になってくれることはあります。内向的なHSPに、むやみな大量の人間関係を強制せず、楽天的な鈍感さでバリアになってくれるタイプです。

 そういう友人ができれば、内向的なHSPもかなり気楽に他人と交流できます。たいていの場合、HSPはこういう友人を少数持っていることが多いものです。

ラクに生きるヒント 4 不快なコミュニケーションを回避する

 1 無駄な争いから降りる
 2 直接話さず、メールや手紙で気持ちを伝える
 3 どんな風に対応してほしいかを相手に伝える
 4 相手の反応を予測しておく
 5 返答する前に、相手の意図を探りながら時間を稼ぐ
 6 感情に説明責任はないと知る

 この項目でわたしが救われたのは「感情に説明責任はないと知る」ですSNSの発展のせいなのか、マスコミのせいなのか、最近、HSPに対して、というか、他人に対して感情を説明させようとする人が多いと感じるのです。
 でも、その人の感情はその人のもの。「そんなふうに感じるなんてひどい」と言うのも残酷です。


 「素晴らしいパーティだけど、自分はあまり楽しいと感じなかった」「人気番組だけど、自分はあまり面白いと感じなかった」と言う自分の気持は大切にしていいし、「どうして面白くないの?」と聞かれても、わざわざそれを説明する必要も、そしてきちんと説明できなくても落ち込む必要もない
と思いました。
 そして、それを楽しい、面白いと感じる人だってそれはそれで自由なのです。

ラクに生きるヒント 5 自分に正直な選択をする

 1 他人の目を気にしない
 2 自分とは違う人間を演じようとしない
 3 罪悪感に心を支配されないようにする
 4 自分自身の価値観に従う
 5 相手とは違う意見でも恐れずに言う
 6 思い切って自分の要求を堂々と伝える

 けっこう精神論に近いので、難しい項目もあります。後に出てくる記述に通じるのですが、HSPの「他人の目を気にする」は「他人の評価を気にする」ではなく「他人が不快ではないかどうか(幸せかどうか)を気にする」ことが多く、これは誤解されがちです。
 つまり、相手や周囲の人が不快かどうか、幸せかどうかを気にしているのです。これは、他人からの評価を気にしている人と往々にして誤解されやすく、「他人の評価なんて気にせずに、勇気を出してやってみなよ」と言うアドバイスを招きがちです。 (「やってみるって何を?」って言うのが、そんな時の正直な気持ちです)

 2の「違う自分を演じようとしない」は、難しいでしょう。大勢の人が集まる場所や、公けの場、仕事で交渉しなければならないとき、気合を入れなければならないとき、違う自分を演じるしか対処法がない気がします。(自然体の自分の欲求としては、そんなところに行きたくないから(笑))
 ふだんから衝突を避けて生きてきた人が、「相手とは違う意見でも、正しいと信じたことを恐れずに言う」と決心したとき、「違う自分を演じて」はいないと言い切れるでしょうか。

 少なくとも、多少は自分とは違う人間になりきろうとしない限り、出来ないことはあるはずです。
 自分に正直な選択をするために、自分の生活スタイルに反する行動をしなければならない局面はありえます。

 結局、「ラクに生きる」からは遠くなってしまうと思うのですが、どんなに他人に相談したとしても、最終的には自分自身の時間を作って、充分考えた後、自分自身で決めるしかないと思います。そして、そのほうが内向的な人やHSPにとって、長期的に見るとラクなのです。

 

ラクに生きるヒント 6 自分の個性を快く受け入れる

 1 自分の性質を理解する
 2 苦しいときは専門家の助けを借りる
 3 否定的な言葉で自分のレッテルを貼らない

  ・自己防衛しすぎ→痛みを感じやすいだけ
  ・過敏→とても敏感なだけ
  ・怠惰→充電中または省エネモードなだけ
  ・他人とは違う→いけないことではない
  ・諍いが嫌い→対話と交渉を好むだけ
  ・弱い→繊細ではあるが、弱いわけではない
  ・退屈→物事を深く考えているだけ
  ・斜に構えている→エネルギーが限られているだけ
  ・女々しい→力だけが強さじゃない。別の類の勇気を持っている。
  ・自己中心的→内省的なだけで、他人の福利を慮る意識は強い。
  ・他人に興味がない→功績には興味がないが、福利には関心を持っている
  ・深刻にとらえすぎる→物事を真剣に受け止めているだけ

 

  この言葉の言い換えは、この本の中でいちばん素晴らしいと感じた部分です。


  短所は長所です。
  欠点だと思われていたことが、「強み」になることもあります。
  タフで外交的なことが「美徳」とされる世界では、繊細で内向的な人は「悪」とされがちです。でも、それを「美徳」にすることは、きっとできるはず。
  凝り固まった価値観で自分を苦しめず、自分の「強み」を自由に解放してあげましょう。 

  HSPは敏感なので、世界の苦しみを引き受けがちです。でも、そのぶん、HSPじゃない人が気がつかない、小さな幸せや感動に気づくことができます。HSPでない人では助けられない人を助けることも出来ます。

  自分のよさに気づいて、育ててあげてください。
  もちろん、自分のペースで。

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