【ケイティのふしぎ美術館】あの絵の中へ入れたら……? 楽しくてためになる、かわいいアートファンタジー絵本。第10巻【ケイティとすいれんの池】【4歳 5歳 6歳 7歳】

2024年4月7日

広告

ケイティとすいれんの池  ケイティのふしぎ美術館 10  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

美術館で行われているモネの展覧会では、絵のコンテストが併催されていました。ケイティは自分でも絵を描いてみたいと思い、「描くブランシュと読書するシュザンヌ」の中へ入り、ブランシュから絵を習います……

この本のイメージ  モネ☆☆☆☆☆ 絵を描いてみよう☆☆☆☆☆ ファンタジー

ケイティとすいれんの池  ケイティのふしぎ美術館 10  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

<ジェイムズ・メイヒュー>
1964年イギリス生まれの絵本作家。メイドストン美術大学。絵画、オペラ、バレエに造詣が深く、その魅力を伝える絵本を制作している。

<西村秀一>
1984年山形大学医学部卒業後、CDC(米国疾病対策センター)インフルエンザ部門留学、国立感染症研究所主任研究官などを経て、現在は仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長。研究の傍ら、医学関係の翻訳のほか、絵本翻訳も手がける

<結城昌子>
武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、アートエッセイスト。1993年「ゴッホの絵本うずまきぐるぐる」(小学館)を刊行して以来、子どもとアートをつなぐ様々な活動を開始。ワークショップや講演、小中学生を対象とした各種コンクールの審査などを続けている

 面白くてためになる、「ケイティのふしぎ美術館」シリーズ第10巻、「ケイティとすいれんの池」をご紹介。原題は、KATIE and the Waterliliy Pond. 初版は2010年。日本語版の初版は2013年です。

 小さな子どもが美しい絵画や美術館と気軽に親しむことを目的として作られたケイティのシリーズ。今回のテーマはクロード・モネです。
 メイヒュー先生はモネが大好きなんですね。第3巻でもケイティはモネのアトリエへ入り込んでいます。

 登場する絵画は「描くブランシュと読書するシュザンヌ」(ロサンゼルス カウンティ美術館)、「ラ・グルヌイエール」(ニューヨーク メトロポリタン美術館)、「モントルグイユ街 1878年6月30日の祝日」(バリ オルセー美術館)、「ひなげしの小径」(ニューヨーク メトロポリタン美術館)、「すいれんの池」(多数存在)。

 今回は、美術館で行われている「モネ展」にやってきたケイティとおばあちゃん。展覧会では絵のコンテストが併催されていました。

 自分にだって画材があれば絵は描ける!と思った怖いもの知らずのケイティは画材を調達しようとして「描くブランシュと読書するシュザンヌ」に入り、モネの義娘ブランシュ・モネから絵の描き方をおそわり、画材をもらいます。

 その後、「ラ・グルヌイエール」の中に入りボートの上で絵を描きますがボートの底に穴が開いており、あやうく溺れそうに。逃げ出したケイティは「モントルグイユ街 1878年6月30日の祝日」の中でパレードを描こうとしますが、パレードに蹴ちらされます(当たり前)。

 その後は「ひなげしの小径」に入り、ようやく描けると思ったのも束の間、牛に追いかけられ、「すいれんの池」へ。
 すいれんの池ではせっかく描いた絵が水びだしになってしまったのですが、これがいい具合に絵の具が交じり合って微妙な色彩になり、ケイティの絵が一等賞をもらうのでした……

 ……と、いうのがあらすじ。

 いままで様々な名画の中に入り、時々絵画の中の人たちと絵を描いていたケイティでしたが、今回は本格的に絵画を描くことになります。

 ケイティって、「面白そう」と思ったらなんでもやってみる、不思議だなと思ったら飛び込んでみると言う好奇心旺盛で行動力のある女の子。

 「あれくらい、わたしにだって描けるわよ」と思うのは、さすがに自信ありすぎだけど、でも小さな子はそれくらいの勢いで何かに挑戦したほうがいいのかも。

 今回のケイティは、大失敗したと思ったらそれが実は良いほうに転がって……と言う展開です。現実も、案外こういうところがあるのかもしれません。

 毎回、ケイティは安定の可愛らしさですが、今回の例によってやりたい放題。美術館だからとか名画だからとか関係なく、いっさい大人しくしていません。

 「ケイティのふしぎ美術館」は、美術館や名画と言うクラシックなアートを題材にしているのに、かしこまったところがまったくないのです。

 文章は平易で読みやすく、漢字まじりですがすべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビなので、50音さえ読めればお子さまがひとりでコツコツ読むことが出来ます。もちろん、読み聞かせにも。

 美しい絵画を見たときのおどろき、感動、心躍る気持ちを描いたアート・ファンタジー。
 「あの絵の中に入ってみたい」と言う子どもらしい夢を叶えてくれるだけでなく、自分でも絵を描いてみたいと思わせてくれる知育絵本です。

 読後は美術館のHPを訪れてバーチャル美術展を楽しむのもいいですね。

 ファンタジーが楽しめて、美術への興味を育てることができ知育効果もある、一石二鳥のケイティの絵本。親子のリラックスタイムに、お留守番用の絵本に、そしてお絵かき好きの子へのプレゼントに。

 春休みのおうち時間に、絵の大好きな方はぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素は一切ありません。安心してお楽しみいただけます。
 純粋な子どもの心になって絵画をとことん楽しむアートファンタジーです。絵の大好きなお子さまに。

 読後はきっと絵を描きたくなります。画材を用意してあげてくださいね。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告