【都会のトム&ソーヤ】「究極のゲーム」を目指すふたり、奇妙な孤島での大冒険。シリーズ13作目【 黒須島クローズド】【小学校高学年以上】

2024年4月10日

広告

都会のトム&ソーヤ 13  黒須島クローズド  はやみねかおる/作 にしけいこ/絵 講談社

伝説のゲームクリエイター黒須幻充郎が残した人工島・黒須島。ゲーム関係者たちが招待され、命がけのゲームが始まった。謎につつまれた「黒須の遺産」をめぐって……

この本のイメージ 孤島デスゲーム☆☆☆☆☆ サバイバル☆☆☆☆☆ 謎解き☆☆☆☆☆

都会のトム&ソーヤ 13  黒須島クローズド  はやみねかおる/作 にしけいこ/絵 講談社

<はやみね かおる>
日本の男性小説家(1964年4月16日~ )。三重県伊勢市出身。代表作は「都会のトム&ソーヤ」「怪盗クイーンシリーズ」「名探偵夢水清志朗シリーズ」など。

 ここ三週間ほど、とある異次元空間に閉じ込められておりまして、ようやく封印が解けて現世に戻ってまいりました。いやはや、人生、何が起きるかわかりませんね。

 一時期は、本を読むこともままならない状況でしたが、今は字を追うこともでき、ありがたく読書時間を楽しんでいます。

 まだまだ体力が戻っていないので、いきなりフルスロットルとは言うわけにはいかないのですが、ぼちぼちマイペースでブログも再開してゆきます。
 趣味が読書で本当によかった。家から出られなくても、室内で楽しく過ごせます。

 さて、本日ご紹介するのは、はやみねかおる先生のヤングアダルト(ライトノベル)小説、「都会(まち)のトム&ソーヤ」シリーズ13作目です。初版は2015年、11月。

 お話は、一応、どこから読んでも面白く読めるようには書かれているのですが、創也と内人の出会いや、栗井英太チームなどの詳しい設定を知ったほうが読みやすいので、第1巻から順番にお読みになったほうがわかりやすいでしょう。

 第1巻のレビューはこちら↓

 さて、今回のお話は……

 「究極のゲーム」を目指す「南北磁石」こと内藤内人と竜王創也。ふたりのもとに、バブル時代一世を風靡した遊戯盤の開発者、伝説のゲームクリエイター「黒須幻充郎」から招待状が届く。

 ゲームに携わる者たちが黒須幻充郎の造った人工島・黒須島に集められ、「ゲームパーティー」を開催するのだそうだ。

 招待客のなかには栗井英太チームの姿も。
 はたして、黒須幻充郎の目的は? そして「黒須の遺産」とは?

 今、絶海の孤島で、命がけのゲームがはじまる!

 ……と、いうのがあらすじ。

 舞台が学校でないこともあって、かなりサスペンス・サバイバル要素が強い本作、命の危険にさらされるシーンもあります。

 また、「頭脳集団」(プランナ)の上級幹部候補生・浦沢ユラさんも登場。恐ろしくも美しい素顔を垣間見せます。
 新キャラとしては、針井マオちゃんというマレーのお嬢さんが初お目見え。準レギュラー化するのでしょうか。楽しみです。

 もちろん、みんな大好き卓也さんも出ますよ。

 「究極のゲーム」を創るために再スタートを切った「南北磁石」こと創也と内人。
 今回のお話では、ふたりがゲーム制作を続けることへの「覚悟」が求められます。

 いままでは「楽しい」だけでゲームを創り続けていたふたり。
 けれど、これからはゲームをプレイする人たち、自分たちの作品を「受け取る人たち」のこと、彼らに与える影響を考えなければばならない。

 すばらしいゲームを創れば創るほど、その影響力は増してゆく。
 ふたりは、その「結果」を受け止められるのか、それだけの覚悟があるのか……。

 青春時代の悩みにも似た、大きな課題です。

 学生時代は自分のことだけ考えて勉強していればいいし、新卒一年目の社会人も自分のスキルを伸ばすことだけを考えていればいいけれど、大人の社会に出るとだんだんと自分の仕事が社会にどう影響を与えるか、考えなければならなくなってきます。

 創也は竜王グループの御曹司なので、それを考える必要がふつうの人よりもさらにあります。そんな堅苦しい生活から逃れてゲームを創っていたはずなのに、やはりゲームの世界にも同じ課題はあるのでした……。

 このシビアな課題にふたりはどう立ち向かってゆくのか。

 いまはまだ、厳しい現実を垣間見て「それでもゲームを作る」と決意を固めた段階ですが、今後このテーマはふたりを容赦なく襲ってきそう。

 ふたりがこの課題をどのように乗り越えてゆくのか、見届けたいと思います。

 楽しくて、さわやかで、そして人生のテーマを段階的に描いてゆくジュブナイル。
 将来の夢を描き始めた年頃の少年少女におすすめです。もちろん、少年少女の心を持った大人にも。

 リゾート気分もあるお話なので、夏の読書にぴったり。クーラーの効いたお部屋でぜひどうぞ!

※この本には電子書籍もあります

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 楽しく軽快な冒険小説です。男の子も女の子も楽しめます。
 多少、危険なシーンがありますが気をつけて書かれているので、バイオレンスや流血シーンはありません。

 大人が読んでも楽しめます。バブル時代の記述があるので、どんな時代だったのかお子さまに教えてあげるといいかもしれません。

 読後は、ダージリンティーでティータイムを。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告