【ケイティのふしぎ美術館】一緒に美術館をめぐっている気持ちになる、ファンタジー絵本。ケイティ、モネのアトリエへ?!【ケイティと花たばのプレゼント】【4歳 5歳 6歳 7歳】
今日は大好きなおばあちゃんの誕生日。ケイティはおばあちゃんと一緒に美術館に来ていました。いつも不思議なことがおきる美術館。今日は、美しい庭の絵を見ていたら……
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆☆ 知育☆☆☆☆☆
ケイティと花たばのプレゼント ケイティのふしぎ美術館 3 ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社
<ジェイムズ・メイヒュー>
1964年イギリス生まれの絵本作家。メイドストン美術大学。絵画、オペラ、バレエに造詣が深く、その魅力を伝える絵本を制作している。
<西村秀一>
1984年山形大学医学部卒業後、CDC(米国疾病対策センター)インフルエンザ部門留学、国立感染症研究所主任研究官などを経て、現在は仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長。研究の傍ら、医学関係の翻訳のほか、絵本翻訳も手がける
<結城昌子>
武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、アートエッセイスト。1993年「ゴッホの絵本うずまきぐるぐる」(小学館)を刊行して以来、子どもとアートをつなぐ様々な活動を開始。ワークショップや講演、小中学生を対象とした各種コンクールの審査などを続けている
ファンタジーと美術が同時に楽しめる、「ケイティのふしぎ美術館」シリーズ、第3巻は、印象派の絵画たち。
登場する絵画は、クロード・モネの「庭の昼食」、「ひなげし」(オルセー美術館)、ピエール=オーギュスト・ルノワールの「ジョウロをもつ少女」(ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(アメリカ))、「はじめてのおでかけ」(ナショナル・ギャラリー(イギリス))、エドガー・ドガの「青い踊り子たち」(オルセー美術館)です。
今日は大好きなおばあちゃんの誕生日。ケイティは、おばあちゃんと美術館にやってきました。
ケイティが美術館に来ると、いつも不思議なことがおこります。
モネの「庭の昼食」をながめていたら、なんとびっくり、絵の中に入り込んでしまいました!
お花を摘んでゆきたいと言うと、ジャンと言う少年がお母さんに聞いてくれます。
美しい奥様は、快く承知してくれ、ケイティはお花を摘んだあと、モネのアトリエも見せてもらうのでした。
ところが、絵の外に出ると、お花はしおれかけています。
ケイティは別の絵に入り、少女のもつジョウロの水をもらおうとしますがうまくゆきません。
その花はあきらめ、別の絵を見ると、さっきのジャンがお母様と一緒にひなげしの花のなか、ピクニックにゆくところでした。
ジャンに誘われ、一緒にピクニックを楽しむケイティ。
ところが、ケイティの摘んだひなげしの花束を狙って、ミツバチの大群が押し寄せてきます。
ミツバチから逃げながら、ひなげしをあきらめ、別の絵に入り込むケイティ。そして……
と、いうのがあらすじ。
クロード・モネのカミーユ夫人とその息子ジャンが、とにかく優しくていい人たちです。突然現れた、得体の知れない少女にアトリエを見せてくれたり、ピクニックに誘ってくれたり。
ところが、ルノアールの絵の少女たちは、あまり親切ではありません。これは、作者の好みでしょうか。ちょっと面白いですね。
いつもながら、ケイティは安定のかわいさ。そして、作者の各作品の雰囲気の掴み方がすばらしい。
それぞれの画家の特徴をとらえつつ、ケイティが内側へ入り込んでしまったリアリティが表現されているのです。
絵の中で、いつもながらケイティはやりたい放題。今回は、舞台で踊っちゃったりもするのですが、もう、かわいいので全部許されるって感じです。
ファンタジーが楽しめて、美術への興味を育てることができ、知育効果もある、一石二鳥の絵本です。
お出かけできないご時期、美術館にいったつもりでケイティの絵本を読み聞かせしてあげましょう。読み終わったら、絵についての情報をインターネットで調べてもおもしろそうです。
今回はケイティがモネのアトリエで絵を描いたりもするので(豪胆すぎる……!)、読み終わったら絵を描きたくなるかもしれません。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はひとつもありません。かわいくて、そして、美しくて、知育効果もある絵本です。大人の和み絵本としてもおすすめです。
読み終わったら、お花を飾ったテーブルで、ティータイムを。
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