【サーティーナイン・クルーズ】39の手がかりを探す謎のレース、その4。今度はエジプト【死者の伝言】【小学校中学年以上】

2021年9月3日

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サーティーナイン・クルーズ 4 死者の伝言  ジュード・ワトソン/著 小浜杳/訳  メディアファクトリー KADOKAWA

39の手がかりを追って世界を旅するエイミーとダン。日本での手がかりを得たふたりは、エジプトにやってきます。さて、ここで得られるものとは?

この本のイメージ エジプト☆☆☆☆☆ 裏切りに継ぐ裏切り☆☆☆☆☆ 祖母の思い出☆☆☆☆☆

サーティーナイン・クルーズ 4 死者の伝言  ジュード・ワトソン/著 小浜杳/訳  メディアファクトリー KADOKAWA

<ジュード・ワトソン>
アメリカ、ニューヨーク在住。「ラスト・オブ・ジェダイ」シリーズや「ジェダイ・アプレンティス」シリーズなど、多くのスター・ウォーズ作品で名高いアメリカのジュニア小説作家。2008年本名のジュディ・ブランデル名義で書いた小説「ホワット・アイ・ソウ・アンド・ハウ・アイ・ライド」でナショナル・ブック・アワードの児童文学賞を受賞した。

サーティーナイン・クルーズ 4 死者の伝言  ジュード・ワトソン/著 小浜杳/訳  メディアファクトリー KADOKAWA

 アメリカからやってきた、ヤングアダルトアドベンチャー小説、「サーティーナイン・クルーズ」シリーズの第4巻。かなり古いシリーズで、時々入手困難な巻もありますが、図書館なら楽しめると思います。原題はThe 39Clues : Beyond the Grave. 初版は2009年。日本語版の初版も2009年です。

 全体構成と第1巻を「パーシー・ジャクソンシリーズ」のリック・リオーダンが作り、それぞれの巻は別々の作家が担当するという集団創作方式をとっています。

 アメリカのロングランテレビドラマのやり方を踏襲したようです。

 アメリカの長期連続テレビドラマは「ショーランナー」と言う全体構成や世界観、キャラクターの基本設定を決める作家がいて、その人が創った世界観やあらすじをもとにして、多数のシナリオライターが分業する方式をとっています。これによって、全体の世界観やテイストの統一をはかります。

 小説では、この「サーティーナイン・クルーズ」のほかにも、アメリカで90年以上愛されている少女探偵「ナンシー・ドルーミステリ」や、ドイツのSF「宇宙英雄ローダンシリーズ」など、日本では「グイン・サーガ」シリーズが作者の死後この方式で継続中です。

 ストーリーは……
 歴史の裏で、人類を発展させてきた謎の一族ケイヒル。
 彼らの一族は世界中にちらばり、歴史を動かす偉人を輩出してきました。
 ケイヒルはさらに「ルシアン」「エカテリーナ」「ジェイナス」「トマス」の四つの家にわかれて、それぞれ特色があります。
 陰謀家のルシアン、発明家のエカテリーナ、スターのジェイナス、体育会系のトマス。

 平凡な姉弟だと思っていたエイミーとダンは、実はこのケイヒル一族だったのです。
 祖母のグレース・ケイヒルが死んだ後、エイミーとダンは、この謎多きケイヒル一族の遺産をめぐるレースに参加することになり、指定された39の手がかりをもとめて、世界中を冒険することになります。

 ライバルたちは、いくらでも軍資金を投入できる富豪ばかり。貧しくよりどころもないエイミーとダンは、たった一人の味方である世話係ネリーとともに、遺産争奪戦を戦うのです。

 今回の舞台はエジプト。

 手がかりを探しに、エイミーとダンはカイロにやってきます。
 とにかく、わけがわからないまま、とりあえず現地入りすると言うのが彼らのスタイル。そこへ、今は亡きグレースの親友ヒラリーが、息子のテオとともに重大な情報を持って現れます。さて……

 と、いうのがあらすじ。

 最初からゲームや映画でマルチに展開することを予定されて作られた作品らしく、ダイナミックで、世界中を旅する荒唐無稽な物語です。

 今回のお話は、「サーティーナイン・クルーズ」おなじみの歴史ミステリーは少なめ。古代エジプトの遺跡をめぐりつつ、手がかりを探しますが、「あの歴史上の人物が実は……」みたいな豆知識系が少ないのは、ちょっぴりさみしい。

 ただ、エキゾチックな異国情緒は楽しめます。

 このシリーズは、つねに裏切りに継ぐ裏切りで、あとになって「聞いてないよ」と言う情報が出てくることも多いので、物語としてはドキドキハラハラで楽しいのですが、キャラクターの気持ちになって考えると、かなりずいぶんだなあ、と感じます。

 そもそもはケイヒル一族の身内同士の戦いなのですが、この一族、基本的に目的達成のためには手段を選ばないので、どんなにキャラが増えてもハートフルなところがなく、だんだん殺伐としてくるのです。

 エイミーはそのなかでも、内向的で考え込むタイプなので、精神的にダメージが蓄積しそうです。ダンは楽天的な性格ですが、喘息の持病があったり、閉所が苦手だったりと弱点も多く、エイミーの支えが必要、と言う関係。

 このふたりを支えるのが、世話係のネリー・ゴメス。(世話係と訳されているのは、どうやら「オペア」と言う、ホストファミリーの子どもの世話をすることで海外で学ぶ留学制度のことのようです)
 きっぷがよく愛情深いネリーが、全面的に味方になってくれていることで、エイミーとダンはこの過酷なレースを耐えられるのでした。

 このネリー、とにかくポジティブで明るくて、打たれ強くて、たくましいのです。落ち込むようなことがあっても、立ち直りがすこぶる早い。こんな人になれたらいいなと思う姐さんなのです。

さて、手に入れたキーワードは二分の一グラムの「ミ○ラ」。
そして、つきまとう謎のキーワード「マドリガル」。

 エジプトでの事件が解決しても、まだまだ謎は続きます。
 暑い国の冒険を乗り越えたら、次は寒い国へ。次の舞台はロシアです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 アメリカのヤングアダルト小説です。気をつけて書いてあるので、アクションシーンの多さに比べて、驚くほど流血シーンや残酷シーンはありません。安心してお読みいただけます。
 入手困難ですが、図書館などでは読めます。
 長いシリーズですから、自宅にいる時間が多い今は、おすすめですよ。

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