【都会のトム&ソーヤ】夜の校舎に最強ゲームクリエイター集合?スリルとサスペンスのシリーズ15作目【エアポケット】【小学校高学年以上】

2024年4月14日

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都会のトム&ソーヤ 15  エアポケット   はやみねかおる/作 にしけいこ/絵 講談社

俺、内藤内人。(たぶん)ごくふつうの中学生。親友の創也と「究極のゲーム」を目指してる。これはそんな日常のエアポケットのお話……(都会のトム&ソーヤ 15  エアポケット   はやみねかおる/作 にしけいこ/絵 講談社)

この本のイメージ リアルロールプレイングゲーム☆☆☆☆☆ 夜の学校☆☆☆☆☆ 危機一髪☆☆☆☆☆

都会のトム&ソーヤ 15  エアポケット   はやみねかおる/作 にしけいこ/絵 講談社

<はやみね かおる>
日本の男性小説家(1964年4月16日~ )。三重県伊勢市出身。代表作は「都会のトム&ソーヤ」「怪盗クイーンシリーズ」「名探偵夢水清志朗シリーズ」など。

本日ご紹介するのは、はやみねかおる先生のヤングアダルト(ライトノベル)小説、「都会(まち)のトム&ソーヤ15  エアポケッ」です。初版は2018年、3月。

 お話は、一応、どこから読んでも面白く読めるようには書かれているのですが、創也と内人の出会いや、栗井英太チームなどの詳しい設定を知ったほうが読みやすいので、第1巻から順番にお読みになったほうがわかりやすいでしょう。

 第1巻のレビューはこちら

 今回のストーリーは……

 定期テストが終わったばかり。大きな大会やイベントもないこの時期、内人と創也はエアポケットともいえる平穏な日々を送っていた。

 そんなとき、二人の実習生が現れる。ひとりはなんと栗井栄太のメンバーの柳川さん。そして、もうひとりはナイスバディの女性教師。

 時を同じくして、校内の壁に奇妙な暗号が貼りだされる。

 かつて「JAXA文書」と呼ばれた暗号に酷似しているその貼り紙を、生徒たちは「呪い鬼」の仕業だと噂したが……

 ……と、いうのがあらすじ。

 この物語には様々な形で「ゲーム」にこだわりがある人物たちが登場します。
 ゲームに憧れる者、ゲームをこよなく愛する者、ゲームを利用する者、ゲームを恨む者、ゲームを憎む者……

 それぞれの立場から「ゲーム」が描かれます。

 わたしは「ファミコン」がこの世に登場するより前に子供時代を送った人間で、「ドラゴンクエスト」のリリースが大学生時代なので、この世にコンピューターゲームが生まれる前と後の時代を知っています。

 今はあたりまえのように生活の一部として存在しており、大人も普通に楽しむようになったゲームですが、黎明期は様々な問題もありましたし、問題視もされてきました。

 それは漫画やアニメーションが辿ってきた道と同じで、新しい娯楽が生まれると旧メディアからは色々と言われるものです。

 ただ、確かにゲーム全盛時代になる前は子どもたちはもう少し本を読んだり、公園や空き地で遊んでいたかもしれません。

 「都会のトム&ソーヤ」は、ゲームの楽しさを肯定しつつ、本を読む面白さや戸外で遊ぶ喜びも教えてくれています。
 ゲーム機の画面の中だけで遊ぶのではなく、「この世界全体」をゲームとして遊んでしまおうと言うわけ。

 現実世界を生きていても、いきなり強キャラが現れたり、毒沼にはまって病気になったりと絶体絶命のピンチが何度も襲ってきます。

 でも、それをただ歯を食いしばって乗り越えようとするよりも、「どう攻略しようかな」とゲームのように楽しんで越えて行けたら、日常はもう少し楽しいものになるかもしれません。

 さて。ストーリーのほうは……
 ここにきて新キャラが登場すると思っていなかったので、度肝を抜かれました。
 いままでで最強最凶のキャラが満を持して(?)登場。

 このお話、どうやら親子三代にわたる物語になりそうです。
 創也のおばあさま、お父さん、内人のおばあちゃん、お父さんと来て、意外な人物が登場して物語に厚みをもたらしてくれます。

 はたして、この人は今後どんな形で内人たちに関わってくるのでしょうか。
 続きを読むのが楽しみですね。

 文章は内人の一人称で書いてあるので親しみやすく読みやすく、難しい漢字には振り仮名がふってあります。
 テンポいい文章だからかボリュームの割には驚くほど読みやすいので、小学校高学年からおすすめ。

 今回のお話は導入からは信じられないほど危険に満ちたサスペンスで、謎解き要素もあり、ページをめくる手が止まりません。最後の最後まで驚きに満ちています。

 ゲームを遊ぶだけでなく創ってみたいなと一度でも思ったことがある子は、ぜひ「都会のトム&ソーヤ」を。
 心躍る、謎と冒険のジュブナイルです。

※この本には電子書籍があります

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。今回はかなり危険なシーンがありますが、気を付けて書かれているので怖くはありません。
 今回はほぼオールスターキャストで新キャラも登場。推しキャラを見つける楽しみもあります。

 読後はダージリンティーとお気に入りのクッキーでティータイムを。

 

商品ページはこち

 

 

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